『うつ病と不登校』

2014年7月10日

うつ症状と聞いて
思い浮かぶのは
どのようなものでしょうか。
一般的な大人のうつ症状として
思い浮かぶのは、
強い落ち込みや
マイナス思考といったものが
多いかと思います。
しかし、自分の気持ちや考えを
はっきりと自覚したり
言葉で伝える力が
大人ほど備わっていない
子どものうつ症状は、
大人のうつ症状とは異なる形で
現れることが多くあります。
まず、頭痛や腹痛などの
体の不調として
訴えられる場合があります。
繰り返し訴えがあるのに、
病院で検査しても
身体的な原因は
見当たらないことや、
朝に訴えが強く
学校をお休みしても、
夕方や夜になると
元気になるというパターンを
繰り返すことが特徴です。
次に、子どものうつ症状は
落ち込みや憂うつではなく、
イライラや不安などの
他の感情として
表現されることが
少なくありません。
落ち着かない気持ちから、
友達とのトラブルや、
大人への反抗的な態度、
授業に集中できないなど、
一見すると
うつ症状とは見えない行動が
現れることがあるので、
注意が必要です。
あるいは、
ご家庭の様子に
変化が見られる場合もあります。
ちょっとしたことで
泣いてしまったり、
子どもっぽい言動が増えたり、
口数が減り、
部屋にこもることが増えたなどの
変化があるかもしれません。
このように、
子どものうつ症状は
大人のうつ症状以上に
複雑な様相を呈します。
しかし、
普段から接する家族だからこそ、
小さな変化をキャッチすることが
できると思います。
好きなおかずにも
あまり手を付けない、
いつもは楽しめるテレビも
なんだかぼーっと見ていて
笑えないようだ、
仲良しの友達と一緒に遊んでも
楽しくなさそうで
早く帰りたがる、
好きな科目も
やる気を出すことや
集中が難しいといった、
「いつもとちょっと違う」様子も
大事なサインになるかと思います。
以上のような
身体症状や不安などを含む
子どものうつ症状は、
それ自体も
学校を休む原因となりますが、
それらが長引くことで
友人関係の悪化、
成績の低下を招き、
不登校の状態に
進むことも少なくありません。
欠席が長引くほど
学校に戻りにくくなってしまい、
さらに気持ちが不安定になるという
悪循環を招くことや、
学校をお休みすることで
一日の生活リズムが崩れてしまい、
昼夜逆転を起こすなど、
他の問題につながることが
予想されます。
とはいえ、
うつ症状を示すときは、
心と体のエネルギーが
低下している状態なので
焦りは禁物です。
学校をお休みさせ、
いつもより習い事や
勉強の負担を軽くすることも
場合によっては必要でしょう。
加えて、
お子さんがそうしたいと思ったときに、
落ち着いた雰囲気の中で
自分の気持ちや
考えていることを
お話しできるよう、
『今はあなたのお話を聞くよ』
という時間と空間を
作ってあげることも大切です。
気の緩みから現れる
お子さんたちの
「いつもとちょっと違う」サインを
見逃さずに、
早期に適切で丁寧なケアを
行うことで、
お子さんの楽しい学校生活の
サポートをお願いいたします。
   自然学園カウンセラー 臨床心理士
                野津弓起子
          『高等部通信6月号』より抜粋
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