バンブーだより8月号 学園長の言葉

2012年8月22日

7月24日から、たけのこコースを皮切りに、
自然学園バンブー教室の平成24年度の夏期講習がはじまりました。
夏期講習説明会にも大勢の人がお越しになり、
熱心に説明を聞いていただきました。
お話しさせていただいている私にも、
保護者の方々の、
なんとかしてお子さん一人ひとりが抱えている息苦しさから、
少しでも楽にさせてあげたいと思う気持ちが、
強く胸に響いてきました。
自然学園を始めさせていただいて7回目の夏期講習を迎えました。
平成19年の1月の東京新聞全国版の第一面に、
以前の校舎に教室を移転してすぐの12月の初頭に、
取材を受けた内容の記事が掲載されました。
見出しに、「LDなど発達障害児用の塾設立」という題がつけられ、
一面掲載だったため、取材を受けた本人が1番びっくりしました。
もちろん全国には、有数の専門家の方々、
研究者の方々、医療機関の方々、
各親の会でご尽力されている関係者の方がいます。
そのような方々が関係している教育機関などは多数あると思われますが、
民間の小さな私塾で、ひとつのコース設定ではなく、
その塾自体が、発達障害がある子どもたちの
学習支援を行う専門の塾であることに、
記事としての大きな意味があったと思っていました。
しかし、今振り返ってみると、
発達障害者支援法の成立や特別支援教育が
開始された世の中の動きに対して、
そのニーズが非常に高いことを証明する
一つの具体的なトピックとして、
取り上げられたのではないかとも思っています。
そして7年目を迎えた現在も、
教育行政の動きは、平成20年に学校教育法が
改正され特別支援教育が書き加えられて以降も、
発達障害児童に対するその取り組みは以前と変わらず、
むしろ以前よりひどい『絵に描いた餅』に近い状態が続いています。
現場には特別支援教育に熱心な先生も
たくさんいらっしゃるのですが、
そのような先生の意見があまり反映されない、
または、することができない教育現場の現実が
あるのではないかと思っています。
ただ、発達障害がある子どもたちの未来が
まるで悲観的な状況であるかとういうと、
一概にそうではないと私は思っています。
それは、教育行政の動きは、
前記させていただいた通りですが、
世の中の関心事は非常に高くなってきています。
とくに「大人の発達障害」と言う言葉が一般的になり、
それにまつわる書物がベストセラーになっている状況を考えると、
大人の人たちに、関心を持った人たちが多くなってきたように思います。
企業に関しても、従業員も含めて思い当たる人が身近に多くなったことや、
スティーブ・ジョブス氏やビル・ゲイツ氏など
発達障害傾向がある有名起業家のエピソードが、
多く世の中に知られるようになったことで、
発達障害の人たちのことを、身近な存在として
考えられるようになったといえるでしょう。
発達障害者支援法が成立し、
障害者雇用促進法が改正されたことによって、
発達障害者にも精神保健福祉手帳の取得が認められ、
障害者就労の対象として認められるようになりました。
それによって、昭和51年から企業の法定雇用率を
充足するためにつくられた特例子会社の雇用者は、
障害者手帳取得者に限られていましたが、
それ以降、精神保健福祉手帳の取得者を
採用する割合が多くなってきています。
平成20年前後に作られた特例子会社ほど、
積極的に採用している傾向があるようです。
私も現在、大学部の体験就労や高等部、
大学部の職場見学をお願いするために、
大手の特例子会社の役員の方とお話しする機会が多いのですが、
最近の企業が考えている業務内容は、
それまでの清掃や軽作業が中心であったものから、
企業案内や広報パンフレットの印刷・製本、
ダイレクトメールの文章作成や送付、アンケートの集計等、
かなり高度なエクセルやワードを使用した
コンピューター処理を求めるようなものに、
移行しつつある印象を受けます。
ですから、企業の役員の方々にお願いされる人材として、
PCスキルを条件とされるケースが多くなってきています。
このように発達障害がある人たちの雇用を、企業の人たちが
積極的に考えるようになったことが大きな進歩だと思うのです。
当然のごとく発達障害がある子どもたちの教育を真剣に考え、
小さな私塾から立ち上げ7年にわたって、
その教育および発達障害がある子どもたちの自立を
支援する数少ない教育機関としての歴史を歩んでいる自然学園は、
多くの企業から信頼され、
採用を前提として就労実習を引き受けて頂いています。
このように、自然学園には、
7年間の発達障害児童と正面から向き合い育んだ臨床にもとづく、
他には真似できない特別支援教育の指導ノウハウの蓄積があります。
そしてその臨床にもとづいて、
現場から積み上げた教材を今年度の総合コースの算数・数学科を中心に
夏期講習の教材に反映させていただきました。
バンブー教室での、私の近い将来の夢は、
自然学園のオリジナルの教材を発刊することです。
認知のつまずきに配慮した、
子どもたちそれぞれの習熟度ごとに教材をセレクトできる
プリントにしたいと思っています。
そして、それは大学の先生などの
専門分野の先生に依頼するのではなく、
現場の教員が今までの臨床から培った経験を生かして
作り上げた教材でないと意味がないと思っています。
すこしでも夏期講習の受講生に反映できたらとの思いで、
全力で取り組んでいきます。
自然学園 学園長 小林浩
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