高等部:高等部通信6月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-2

2024年7月10日

2、こども家庭庁が発表したいじめについての統計

 

いじめの認知件数は小・中・高等学校及び特別支援学校では令和4年度(2022年)の統計では681,948件で前年度に比べ66,597件増加(10.8%)しています。令和2年度の517,163件から令和3年の増加件数は98,188件で19%の増加であることから、ここ3年の増加率は急増しているとみてよいでしょう。児童生徒1,000人当たりの認知件数は53.3件(前年度47.7件)です。

 

新型コロナウイルス感染症の流行が始まった令和2年度は、全国一斉休校など教育活動が制限されたことにより、全校種でいじめの認知件数は大幅に減少しましたが、令和3年度は新型コロナウイルス感染症流行前の令和元年度並みとなり、令和4年度では再び増加傾向となり過去最多となりました。令和4年度は新型コロナウイルス感染症の影響が続き、感染を予防しながらの生活となりましたが、部活動や学校行事などの様々な活動が再開されたことにより接触機会が増加するとともに、いじめ防止対策推進法におけるいじめの定義やいじめの積極的な認知に対する理解が広がったことや、アンケートや教育相談の充実などによる生徒に対する見取りの精緻化、SNS等のネット上のいじめについての積極的な認知などが加わり、いじめの認知件数が増加したと考えられます。

 

年度末時点でのいじめの解消状況については、525,773件(77.1%)(前年度493,154件(80.1%))となっており、早期発見・早期対応ができた件数は多くなったものの、比率は低下しています。これは、安易にいじめを解消したとせず、丁寧な対応を行っている一方、SNS等のネット上のいじめなど、見えづらい事案が増加したことなどが考えられています。

 

暴力行為に関しては、小・中・高等学校における暴力行為の発生件数は95,426件(前年度76,441件)であり、前年度から18,985件(24.8%)増加。児童生徒1,000人当たりの発生件数は7.5件(前年度6.0件)です。令和2年度は全国一斉休校など教育活動が制限されたことにより全校種で暴力行為の減少が見られましたが、令和3年度は新型コロナウイルス感染症流行前の令和元年度並みとなり、令和4年度では再び増加傾向となり過去最多となりました。こちらも、部活動や学校行事などの様々な活動が再開されたことにより接触機会が増加したことなどが、暴力行為の発生件数の増加の一因となったと考えられています。

 

以上が、子ども家庭庁の発表した令和4年度のいじめ認知件数増加に関する考察を引用しながらまとめたものになります。

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