[バンブー便り1月号]学園長ブログ~可能性の扉~③

2017年3月17日

3、不登校の理由と発達障害児童との関係

平成18年度に文科省から発表された「不登校に関する実態調査」では、不登校の理由として「無気力」、「不安による情緒混乱」「いじめを除く友達関係をめぐる問題」との統計が上位に並んでいます。中学校は1位が「無気力」であるのに対して小学校では「不安による情緒混乱」が最も多い結果です。

昨年、東京都教育委員会が発表した平成26年度の不登校の実態調査では不登校の理由として「無気力」、「不安による情緒混乱」以外に小学校でも中学校でも3位に「親子をめぐる問題」が入っていました。そのことと同様に平成18年度の文科省の「不登校に関する実態調査」に不登校だった中学3年生を5年後に追跡した生徒の立場での不登校の理由としては「友人関係」「生活のリズムに乱れ」「勉強がわからない」「先生との関係」「クラブや部活動の友人関係」が挙げられていました。学校の調査では「学校の先生との関係」が挙げられていなかったことが、非常に興味深い点でした。

生徒からの調査と学校の調査結果とを結びつけると「友人関係」「勉強がわからない」「先生との関係」「クラブや部活動の友人関係」がきっかけで学習意欲や登校意欲、クラブ活動に打ち込む意欲が低下した結果、「無気力」になり、「生活のリズムの乱れ」「不安による情緒混乱」が不登校につながり継続することが浮かび上がってきています。

発達障害の共通した特徴は、自分に自信がなく自己肯定感が低い点だと思います。自分に自信がない一方でプライドが高いので、自分ができないことや他者から指摘されたことに対してのその欠点を自分自身で認めようしません。ですからあいさつでお話ししたとおり、お子様の欠点を把握したうえで、できる環境を整えることやできるための手引きを明確にしてあげることで「理解」から「できる」を現実に体験させることが大切になってきます。   

指摘だけで怒りぱっなしにしてしまうと怒られたことだけが頭に残り、自分のしたことの反省は、まったくもって頭にうかびません。彼らにとってはその場から逃れることが唯一の自尊心を損なわない自分自身の中では最良の手段なのです。そして、できない勉強に対して、適応できない学校生活について無気力になってしまうのです。その延長上に不登校があるわけです。ですから欠点を頭ごなしに指摘したり怒鳴ったりする先生とは関係が悪くなりできないことを先生のせいにして逃げるのです。周りの友だちに対しても先生と同じで自分の欠点を注意されたり指摘されたりすると友達のせいにしてしまうのです。
プライドが高いことから、できないことに対して自分が不得意な特性に対して絶えず自分がどう思っているか不安でたまらなくなります。このことがストレスになり情緒の混乱になるのです。

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