[バンブー便り12月号]学園長ブログ~可能性の扉~②

2017年1月20日

2、未就学児童の療育について

バンブー教室のたけのこコースの受講生が少しずつですが確実に増えています。

赤ちゃんは、身体がどんどん大きくなると同時に、様々な知識や能力を獲得しながら育ちます。そういうことは成長の過程で当たり前のことだと思われるかもしれませんが、実は、感情や気分が土台として安定していなければうまく育たないものです。
赤ちゃんにとって生きていくために必要なものが満たされていない状態になっていることが、自閉傾向にある子どもたちには最初に直面する問題であると言われています。それは母子とのコミュニケーションからはじまります。生まれて間もなく、まだ目が聞こえない、耳が聞こえない状態であっても、母親が呼びかけると、呼びかける母親に微笑むことで母親の母性に訴え、愛情を受け取るコミュニケーション力が赤ちゃんには備わっています。しかし自閉症傾向を持って生まれた幼児にはそのコミュニケーションができないと言われています。
赤ちゃんは最初泣くしかできませんが、次第に、自分を世話して守ってくれるよう、泣いて人を呼び寄せるようになります。泣くことで必要なことを手に入れているのです。自閉傾向のお子さんは、赤ん坊のときから、「泣いて人を呼び寄せる」ことがうまくできないようです。ミルクやおむつは泣かなくてもお世話の手が入りますが、怖さや退屈に関しては、赤ん坊の側から何らかの訴えがないと、お母さんもなかなか気がつきません。泣いて人を呼び寄せる力が弱い赤ん坊は、結果として一人で怖さや退屈と向き合うことが多くなり、感情や気持ちが不安や不満足に傾くことが多くなるでしょう。
自閉的な行動がいつまでも継続し、次第に激しいものとなっていくのは、彼らの抱える何らかの弱さが、人生の一番初期に「泣いて人を呼び寄せられない」=「困ったときに人に頼れない」という状態として現れ、「感情や気持ちの安定を得る」ことを難しくしているからだと言われています。問題は、0才台からすでに現れているのです。
気持ちや感情が安定していれば、周囲の世界を好奇心いっぱいで眺めることができ、やってみたいことをたくさん見つけることができます。そして、できないときに人に手伝いを求めることができれば、やりたいことができないまま終わってしまうことも少なくなり、さまざまな能力が拡大していく成長の道筋に乗れるようになります。
だからこそ早い段階の療育が必要となるでしょう。自然学園の2歳からのお子さんにはたけのこコースを利用していただき、まわりにはたらきかけるコミュニケーション力を育ませていくことが今後のお子様の発達に大きく影響していくことと思います。
乳幼児のお子様の自閉的な行動の代表的なものについて述べましたが、ほとんどすべてが、今自分が置かれている状況から「一人で逃げ出す」、その状況に「一人で立ち向かう」ことから出ていることがわかります。自分が今持っている能力をはるかに越えた困ったことが起こったときに、人に助けを求められるようになると、「人と一緒にその状況に対処する」経験が増え、自閉的な行動が次第に少なくなります。
困ったときに人を求めることができるようになるためには、とにかくこの人が側に来ると、自分を嫌な気持ちにさせるこの状況が薄らいでいく、という経験を数多くしてもらうほかありません。困ってしまう状況の多くは、怖い、わからない、できない、退屈、などからできています。

バンブー教室では、このような子どもたちの療育に結び付く支援をお手伝いしたいと考えています。小集団で行う療育教育では、子どもは、共同作業すること、順番を待つこと、名前を呼ばれたら返事をすることなど、社会生活の基本ルールを学ぶことになります。その前提になるものが社会的スキルです。これは社会参加し、社会生活を円滑に送るために必要なスキルです。幼稚園や保育園に入園すれば、他者との関わりは必然とされ、コミュニケーションがうまく取れなければ子どもたちに精神的な負担が多くかかってきます。当然小学校ではそれ以上の社会的なスキルが必要とされるでしょう。バンブー教室ではこの社会的なスキルを育ませるために必要な言葉の獲得などの社会的なスキルに結び付くコミュニケーションの基礎となる学術的なスキルや身体的なスキルを学ぶための講座です。該当するようなお悩みがあるお子様は、この冬期講習にぜひお試しになってはいかかですか?ご受講をお待ちしています。

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