[高等部通信 おもいやり 1月新年特別号]学園長より~可能性の扉~⑤

2019年2月22日

5、第13回定期講演会の報告

自然学園では発達につまずきのある子どもたちの理解を保護者の方々に深めてもらう機会として発達障害がある子どもたちの保護者の方々を対象にした、発達障害セミナーを自然学園の定期講演会として開催しています。保護者の方々と共に発達につまずきのある子どもたちのより良い支援方法を考えていく勉強会にしたいと思っています。

12月9日(日)は、前号でご紹介した第13回の定期講演会が実施され、土屋徹先生に『お子様の問題行動を改善する家庭での支援』をテーマでこ講演いただきました。

日頃から保護者の皆さんのお悩みにお子様が言うことを聞いてくれない、学校で担任の先生から指摘されるような問題行動を起こすことが度重なり、その都度注意しても改善が見られないなどを良く耳にすることがあります。
問題行動を繰り返すのは親のしつけが悪いだとか育て方が悪いと言った誹謗中傷を受けた保護者の方々は少なくないと思います。まるっきり根拠のない暴言であると思います。
しかし、お子様との対応の仕方でお子様が注意を受け入れ行動に移す「叱り方」や「ほめ方」などの関わり方は、お子様の問題行動の改善に大きく影響してくる要素であると思っています。

「言葉でうまく気持ちを伝えられず、いらいらしてしまい手を挙げてしまう」「落ち着きがなく黙って先生の話が聞けない」「順番が守れず割り込みをしてしまう」「乱暴な言葉が多い」「暴力をふるうことがある」「じっとしていられない」「上手に人の話が聞けない」「順番を待てない」「人に謝れない」等の問題行動のご相談はよく聞く話ですが、言葉できつく叱ってもお子様に効果がなく、また問題行動を繰り返してしまう保護者の皆様のお嘆きが多い中で、かかわり方次第ではお子様の問題行動が減少するための具体的なヒントが今回の講座の主な講演内容でした。

問題行動は環境が引き起こすもので、環境によって大きく左右されるものである。逆にいうと環境によって問題行動は軽減されると言うことを自然学園の対応を引き合いに出していただき、問題行動につながる「自分を認めてほしい」「もっと自分を見てほしい」というお子様の心理を理解した関わりを持たないと問題行動は改善しない。「親、先生に反抗する」、「いじめ、暴力、反社会的な行動など」は、お子様の「SOS」のサインであるというお考えを、今回のテーマに繋がる序論として非常にわかりやすくお話ししていただきました。
ペアレントトレーニングやソーシャル・スキル・トレーニングなどに関連する話だと、応用行動分析学をベースにした話が多くなり、やたら「好子」「強化子」などの専門用語が多くなり、一般の方々だと分かりにくく飽きてしまうケースも少なくありません。今回は保護者の皆さんが気持ちを動かされ、実践してみようと思う気持ちになれる素晴らしい講演だったと思います。

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