[高等部通信 おもいやり 1月新年特別号]学園長より~可能性の扉~⑥-1

2019年2月26日

6、自然学園が薦めるペアレントトレーニングの実践について
 
問題行動とは、実際に社会との接点が多くなればなるほど増える傾向があり、社会的な接点が少なければ大きな問題にならないケースは少なくありません。お子様の問題行動があると親の子育てが間違っていると言う人がいますが、お子様の環境によって問題行動に至るお子様の特性は大きな影響を受けるので、家庭環境や成育歴だけが問題ではないのです。学校生活など社会との接点で生じたお子様のストレスが他者に対するいじめや攻撃に結びつくことが多く、嘘をつき多動行動が強くなり、学校でのクラスメートとのトラブルや家庭での兄弟へのいじめなどの問題が生じてきます。家の中で解消しないと外に向けての反社会的な行動になってしまうことがあります。問題を起こすことで注目してもらいたいと言う気持ちが問題行動の根底に潜んでいる心理です。
 とくに発達につまずきがあるお子様は、ソーシャルスキルが経験から身につかず、人の気持ちを理解できないなどの認知の偏りから問題行動や対人トラブルなど生活上のつまずきが起きやすいのです。

 以上の理解がなく、学校など社会生活の不適応さを問題行動と捉えて、頭ごなしに怒り、力ずくで辞めさせる行為は大人になってからのお子様の反社会的な見方が強まると言われています。外出を禁止したりラインなどのSNSを禁止したりしても反抗が強くなり、問題行動を助長することになりかねません。

 保護者の皆さんがお子様の問題がある行動の捉え方を変えることで、お子様の行動に変化が現れると土屋先生はおっしゃっています。たとえば乱暴な言葉が多いお子様に、問題児とレッテルを張るだけでは問題は解決しません。友達との付き合い方や対応を知らないためにこのような行動を身に付けてしまったお子様と捉え、友だちとの付き合い方を教えることで問題行動が減少するお子様だと考えるようにすることなのです。順番待ちができないお子様はルールが身に付いていないと考え、コミュニケーションでの解決を図るための適切な行動やルールを教えてあげることが必要であると言うことなのです。このように問題行動をなくすのではなくその場に応じた適切な対応を教えることを心がけるべきであると保護者の皆様に分かりやすい説明がありました。

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