[高等部通信1月新年特別号]学園長より~可能性の扉~④

2018年2月6日

4、第11回定期講演会
 
自然学園では発達のつまずきのある子どもたちの理解を保護者の方々に深めてもらう機会として、発達障害がある子どもたちの保護者の方々を対象にした発達障害セミナーを自然学園の定期講演会として開催しています。保護者の方々と共に発達のつまずきのある子どもたちのより良い支援方法を考えていく勉強会にしたいと思っています。

11回目となる今回の定期講演会は、星槎大学大学院准教授の阿部利彦先生の講演で『気になる子の子育てリフレーミング~子供の味方、ほめ方、励まし方~』をテーマにして前回と同じ大宮ソニックシティーで1月21日の日曜日に開催します。

阿部利彦先生は公立中学校のスーパーバイザーとして特別支援教育の導入に尽力されていた経験から、合理的配慮に結びつく、気になる子が参加しやすい授業や困難さを受けいれてもらえる学級経営など、つまずきを少し配慮することですばらしい効果が生まれる事例をお伝えしながら、家庭でのお子様とのかかわり方など保護者の皆さんがお悩みになっている好ましくない行動が少なくなるお子様に対するほめ方や励まし方など気になる子の家庭での子育てや具体的な支援などをご講演していただく予定です。

今回講演をお願いする阿部利彦先生は、東京都の足立区公立小中学校や埼玉県の公立小中学校の特別支援教育のスーパーバイザーとして公立学校の特別支援教育の導入に大きく貢献してきた先生です。現在は星槎大学大学院教育実践研究科准教授で星槎大学付属発達支援センター長や埼玉県特別支援推進委員会委員長を歴任しています。多くの著書を出版されていて公立学校の特別支援教育の導入にご尽力されてこられた先生です。

 私も阿部先生の著書である「発達が気になる子育てリフレーミング」「見方を変えればうまくいく特別支援教育リフレーミング」を読ませていただきました。究極のソーシャルスキルは「援助を求める力」だとおっしゃっています。私も発達につまずきがあるお子様が自立できるためにお預かりした生徒の皆さんが、社会に出るために必要なスキルの重要なことのひとつが、助けを求められる力であると思っています。スキルを使いこなせるようになるには、技術指導だけではなく、そのスキルを支える「自尊心」「自己肯定感」を忘れないようにすることであるともおっしゃっています。このことは、常に支援する立場の人間は肝に銘じておかなければいけないことだと思っています。私は発達障害があるお子様の指導における最終的な目的は社会適応であり、そのことに向けて学校生活への適応の重要性は、以前からこのブログでもお伝えしてきました。阿部先生の著書には適応するための指導のためのSSTの指導として考慮しなくてはいけない視点が、『リフレーミング』として詳細に解説されています。

阿部先生は著者を通して『リフレーミング』とはいつも違う見方や新しい味方で、あることをとらえ直すことだとし、保護者の皆様が自分の感覚や経験を大事にしながら、子育てをちょっとだけ『リフレーミング』していただければきっといい関わりが見つかるはずだと記しています。定期講演会ではお子様のプライドを大切にしながら、ほめる技術を磨くことでお子様が成長できる家庭や学校での関わり方を分かりやすく講演していただく予定です。日ごろからお子様との関わりにお悩みをお持ちの保護者の皆様も参考にして頂ける講演内容になると思います。皆様のご参加をお持ちしています。

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