[高等部通信1月新年特別号]学園長より~可能性の扉~2

2020年1月31日

2、2学期終業式学園長挨拶

クリスマス会の前に2学期を締めくくる全学部合同での終業式を春日部市民文化会館の大会議室で実施しました。私が皆様にどんな話をしたかまとめたので、話を聞き逃した人も読んで思い起こしてみてください。
『皆さん今年1年はどんな年でしたか?今年は自国開催のラグビ―ワールドカップで日本が活気づいた年になりました。まさかの決勝トーナメント進出を果たし、来年のオリンピックイヤーに弾みがつく盛り上がりを見せました。
「ONE TEAM」が新語、流行語大賞の年間大賞に選ばれました。ワールドカップの先駆けとして池井戸潤原作をドラマ化したTBS日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」のヒットが導火線になりましたが、そのドラマで主役級の活躍を見せた俳優が前回のワールドカップの日本代表チームのキャプテンを務めた廣瀬俊朗さんでした。廣瀬さんがテレビでラグビ―の魅力をこのように伝えていました。「ラグビーは15のポジションそれぞれが独自の役割があり、その人の個性や特性に応じて必ずその人が輝けるポジションがあることだ。」と言うことを話していました。足が速い人、体が大きい人、目立ちたがりの人、我慢強い人それとそうではない人、だれでもができるポジションがあり、楽しめるスポーツだと話していました。自分のできるポジションでその役割を遂行すれば、チームの勝利のために誰でも貢献できるスポーツであると言うことでした。
 
私は「一隅を照らす」と言う天台宗の開祖最澄の言葉が好きで在籍生の皆さんにはことあるごとにお話ししてきました。まさしくこのラグビーの魅力である、自分の役割、自分のできることをただひたすら遂行し、努力することがチームの勝利のためにつながるメンタリティーは、「一隅を照らす」の言葉が示す意味そのものです。
アフガニスタン東部ジャララバードで武装勢力に銃撃され死亡した中村哲日本人医師は、海外医療協力隊のメンバーとして1984年、パキスタン北部辺境州のペシャワールに赴任、さらに辺境へと医療拠点を増設し、アフガニスタンへも活動を広げていました。アフガニスタンで人道支援活動を続ける非政府組織(NGO)「ペシャワール会」(福岡市)の現地代表で、貧困層への医療支援や灌漑(かんがい)事業などの功績により、アフガニスタン政府から国家勲章を授与されていたアフガニスタンの英雄でした。キリスト教の信者であった中村哲医師が好きだった言葉も「一隅を照らす」だったそうです。

生徒の皆さんは、どうしてもできないことがあり、そのことで他のお子様と比較され自信がなくなっている人たちが多いことでしょう。皆さんにはできることが必ずあります。自分のできることや得意なことを突き進めれば、人から認められ人の役に立つことが必ずあります。一隅とは人の気が付かない目立たない場所と言うことです。その自分の置かれた場所、自分のいるポジション、自分が必要とされる居場所で精一杯頑張ることが「照らす」と言うことです。そのことができる人こそ何より尊く、国の宝だと言うことを最澄はおっしゃっているのです。皆さんの新年および新学期、新学年での今いる場所での頑張りを応援し祈っています。』(一部抜粋 要約)
高校3年生は1月の卒業試験(卒業単位認定試験)を控え、高等部1,2年生も2月の学力考査(後期試験)を控えているので風邪などひかないように気を付けて過ごしましょう。

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