[高等部通信10月号]学園長より~可能性の扉~④

2018年11月13日

4、秋は情緒が混乱し不登校になりやすい季節
 
先月号もお伝えしたように2学期は一般的に学校行事が多い時期でもあるので、学校でのトラブルも多い時期です。しかも台風が多い季節でもあり、低気圧の影響もあって、イライラしたり、モヤモヤしたり、1年の中でも精神的に不安定な落ち着かない季節の真っただ中にいるわけです。高等部の在籍生には中学校時代にこの時期に体育祭などの学校行事をきっかけに不登校になった生徒は少なくありません。ほとんどの中学校では、10月下旬と11月下旬から12月初旬にかけては、中間・期末テストの学力考査があるシーズンなので、思春期のもやもやと合わせて、ダブル、トリプルでのストレスを背負う可能性が高いブルーな時期でもあります。このように精神的に負担になることが重なる時期なのでクラス全体が落ち着かない時期です。ましてや中学校3年生の場合は受験に向けていよいよあわただしくなる時期です。直前のテスト結果で入試への不安が高まり、クラスメートが懸命に受験勉強に向かう中で自分だけ取り残されたような気分になってその場から逃げ出したくなる気持ちになった人たちは少なくなかったはずです。
 
発達のつまずきで生きづらさがある人たちは高校生になっても、10月、11月は要注意です。発達障害の特色でもある感覚の過敏さは情緒が安定していないと余計に強くなる傾向があります。聴覚過敏の生徒はざわざわしている状況が普段から苦手な生徒は、体育祭や音楽祭、学園祭など学校行事は練習の参加からイライラする場面が多くなるでしょう。人とのコミュニケーションもいつも以上に要求されることでしょう。気持ちのゆとりのなさは不注意性や衝動性を強くさせるので他者とのトラブルがこのような状況下だと特におこりやすくなるのです。
 
トラブルから生じる不安が情緒の混乱に結びつき、夜眠れない、起きられない、発熱、腹痛などの身体症状が伴い「行き渋り」「不登校」の段階を踏んでほとんどが長期化してしまいます。発達障害のお子様が不登校に至る経緯を考えると、その特性が起因していることが分かります。発達障害があるお子様や鬱傾向の人は、未就学児童から小中学生、高校生、大人に至るまで10月、11月は1年でももっとも精神的に不安定になる時期です。
すなわち人との関わりも含めたトラブルや学校生活における問題行動が起こりやすい時期です。幸い自然学園高等部の生徒の皆さんは不登校になっている生徒は一人もいません。
しかしながら、今年入学した1年生はとくにこの時期には注意が必要です。保護者の方々が十分に彼らの変化を見逃さないように心がけ、まわりにいる大人が、特性を理解してあげながら、配慮を実践すれば大きな問題は防ぐことができると思います。このようなことを感じたらすぐに担任に連絡してください。保護者の皆様方と連携しながら早期の解決を図りたいと思います。ご協力お願い申し上げます。

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