[高等部通信10月号]学園長より~可能性の扉~⑥

2017年12月1日

6、いじめと発達障害があるお子様の特徴との関係性
これらのことからいじめの原因とされる「冷やかし、からかい、悪口、脅し、文句、嫌なことを言われる」や「仲間はずれ、集団による無視をされる」は、相手が強くいじめと認識していないケースがほとんどで、近年は「パソコンや携帯電話等での誹謗中傷や嫌なことをされる」などのSNSなどの通信をきっかけにして、トラブルが起こっているケースが非常に多くなっています。

そうでなくても、「心の理論」の問題を抱えて、相手の立場になって気持ちを考えることが苦手な生徒が多いうえ、SNSなどは、一方的に自分の思いを吐露しやすい通信ツールです。相手の文章表現での趣旨をうまく把握することが苦手なお子様の場合は、誤解を生むような返信をしてしまったり、相手の思いとは、まるで逆の回答を返信してしまったりすることもあると思います。それが、グループでの利用だと、その情報がグループ内の友だちにとどまらず、クラスにも拡散して「仲間はずれ、集団による無視をされる」などのいじめにつながるケースは容易に想像がつきます。

また「冷やかし、からかい、悪口、脅し、文句、嫌なことを言われる」などいじめに関しては、相手はそれほどの悪意がなく、親しみを込めての表現の場合でも適切な対処やその行為に対して不快に感じている自分の思いを相手に正確に伝えることができないために思い悩み、解決の糸口がつかないため不安が強くなり、情緒が混乱して不登校に至るケースも珍しくないのです。

このように発達障害傾向のあるお子様の特性といじめの理由との関係性は、大いに注目するところです。「からかいやひやかし」「ネットいじめ」等のなかなか露呈しにくい、いじめが風潮になりつつあると教職員が気づかないケースが多くなり、ますます発達のつまずきのある生徒の精神的な負担は拡大されると予想されます。

自然学園高等部でも、以前本欄でお話ししたこともあるように、SNSでの友だち同志のやりとりから人間関係のトラブルに発展した報告を受けることがあります。
深刻ないじめにならないもでも、担任も頭を悩ましているようです。このようなことがあると小中学校で経験したいじめがフラッシュバックして、精神的に不安定になり2,3日学校にこれなくなってしまったケースもあるようです。
2学期は学校行事が多い時期でもあるので、学校でのトラブルも多い時期です。
最近小学生の子どもたちで不登校になってしまう割合が徐々に増えているようです。
発達のつまずきで生きづらさがある子どもたちは、10月、11月は要注意です。

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