[高等部通信11月号]学園長より~可能性の扉~②

2017年12月28日

2、自然学園 学園祭(思いやり収穫祭)初日、音楽祭について

 

11月4日の音楽祭では、高等部の3年生が金賞を受賞しました。

「ふるさと」を生徒がピアノとフルートで自ら伴奏をつけて、とても連帯感のある合奏を聞かせてくれました。一人ひとりの声が会場に響き、3年間育んだクラスの絆を力強く感じるとともにどこか暖かさが感じられる、とてもおおきな人が気持ちを包み癒すようなハーモニーが会場にいる人たちを幸せな気分にしてくれました。

 

大学部の学生や高等部、中学部の生徒を差し置いて小学部の生徒の皆さんによるピアニカ、トライアングル、リコーダーでの楽器演奏が銀賞を受賞しました。この日に備えて、一生懸命に練習した姿が目に浮かぶような、一心不乱に一人ひとりの子どもたちが楽器に向かい合う姿が見ている人の心を熱くしてくれました。

 

 

 

銅賞は高校2年生によるスピッツの「空も飛べるはず」でした。歌とメロディーに合わせて振付けたダンスに、2年生の見事に演じきったパフォーマンスと生き生きとした瑞々しい歌声に元気をもらいました。2年生全員が楽しそうに躍動している姿を会場の観客席の保護者もほほえましくご覧になっていました。ほかの人たちの合唱やダンス、楽器演奏もみんな素晴らしかったです。生徒の皆さんが心を一つにしながら、自分の役割を演じ切り他者との歩調をあわせて懸命に努力している姿は、多くの人たちの感動を生みました。

 

前号でも少し触れさせていただいた感覚的なつまずきや認知的なつまずきの特性がある子どもたちが多い中で、リコーダーが吹けない、ダンスが周りの人たちとあわないなど、中学校の音楽の授業や合唱コンクールなどは苦手としていた人たちが多いのではないかと思います。ましてや人前で発表することや話をすることが苦手な人や、小学校や中学校の時に緊張から人前だと言葉が出なかった在籍生もいる中で3年生や2年生の成長には目を見張るものがありました。

 

ほとんどのクラスが歌とともに踊りを取り入れていましたが、人のまねをすることや、人に歩調を合わせてリズムを取ることが苦手である高等部の皆さんが見事にそのことを克服して素晴らしいバランスのとれたまとまりを見せてくれました。努力が成し遂げた成果であると心から感服しています。なにしろ生徒の皆さん一人ひとりに自分自身がクラスの一員であるという自覚が感じられたことが、この思いやり収穫祭で何よりも大切なものを収穫できた気がしています。集団行動で自分の役割を遂行すること、全体の利益を優先し、自分の行動を律することができなければ今回のようなパフォーマンスはとてもできません。

将来の就職に求められるスキルが育まれていることに気付かされました。

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