[高等部通信11月号]学園長より~可能性の扉~③-2

2018年12月25日

当日ご協力していただいたOB、OGには、自然学園高等部・大学部を卒業して就職している人たちや、大学に進学して企業の内定をもらった人たちなど、社会で自立している自然学園の卒業生が多数駆けつけてくれました。
まず入学前の状況を聞いたところ、ほとんどの卒業生が、いじめを受けていたと言っていました。人間関係がうまくいかなかったことや先生との関係がうまくいかなかったことが理由で学校に居場所がなく、不登校に至る経緯を話してくれた生徒がほとんどでした。また学習の面でも読み、書きのつまずきから授業について行けず、学力不振も重なって不登校に至った卒業生もいました。発達障害の特性から社会不適応が強く、不安による情緒の混乱が高くなったことがきかっけだったようです。そして、ほとんどの卒業生がその経験から人前に出ると緊張しやすく、思うように話ができず、自分の言いたいことも言えない状況が続いていた人たちでした。そんな人たちが如何にして人とコミュニケーションが取れるようになったのか。読み書きや口頭での話を聞いて記憶することに苦手さを感じている人たちは、どのように苦手さを克服して業務を遂行しているのかなど、具体的な経緯を一人ひとり伺いました。

自然学園に入学して、クラスメイトや教員に支えてもらいながら、自分らしく学園生活が送ることができたことが、自立できた原動力になったことを座談会の参加した卒業生が口々に話してくれました。

そして実際に就職した会社でどのような業務を任せられているか。どんな苦労があるか。
不安だった人間関係に関しては職場でどのような状況か。会社にお願いしている合理的配慮の具体的な事例など彼らの嘘偽りない現状や、現在の心境やこれからの夢や目標を一人ひとり語ってもらいました。参加していただいた卒業生の会社の中には、5年以上勤務が経過して、指導的な役割を果たしている職員は、推薦さにより、障害者雇用の勤務条件から、一般社員の条件に移行できるチャンスが与えられているそうです。5年が経過して指導的な業務を遂行している本人は、そのことを目標に毎日の業務に励んでいるそうです。
 
卒業生座談会の様子をお伝えした通り、私には発達障害がある人たちの未来は、非常に明るく見えています。自分次第で自分らしい生きがいを感じながら、豊かに生きる道が開かれることを卒業生が立証してくれたように思いながら、彼らの話に耳を傾けていました。

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