[高等部通信11月号]学園長より~可能性の扉~1

2019年12月17日

1、はじめに
立冬を過ぎたころから寒さが肌身に感じるようになり、秋の深まりとともに冬の足音が聞こえてきました。10月から11月前半にかけては、台風の影響もあって雨が多い日が続き、その後は晴れた日が続き、昼間はこの時期とは思えない、汗ばむような日もありました。木々の紅葉もピークを迎え、いよいよ寒さも本格的になってきた今日この頃です。

11月2,3日にかけて実施された自然学園の学園祭である思いやり収穫祭も好天に恵まれ多くの人たちが、見学に来てくれました。学園祭の際はお忙しい中、保護者の方々につきましては、ご理解・ご協力を承り誠にありがとうございました。保護者の皆さんがご参加いただいたことで、学園祭が活気を帯び、生徒たちの励みになりました。本当にお世話になりました。おかげさまで多くの方々に子どもたちが大きく成長した姿を見てもらうことができ、大変うれしく思っています。

11月2日の音楽祭では、高等部の3年生が金賞、銅賞は高等部2年生が受賞しました。また個人賞は高等部2年生の3人の生徒が受賞しました。
歌唱、ピッチ、ハーモニー、音量、パフォーマンス、演出などの総合評価で採点はしましたが、「元気」「団結」「調和」のあるクラスが順位を独占しました。今回の思いやり収穫祭のテーマの趣旨を体現してくれた団体が高等部3年生でした。「ONE TEAM」として一人ひとりが堂々と自信を持って力強くまとまりのある歌声を奏でてくれました。
ラクビ―の精神である「ALL FOR ONE・ONE FOR ALL」同様3年間で培ったチームワーク、お互いにメンバーの特性を理解したうえで、欠点はお互いにかばい合いながら、一つの目標に向かって頑張る姿勢がこれほど浮き彫りになったクラスはありませんでした。
ごまかしができない真剣勝負で3年生全員が結束してこの日を目指して練習した経過が手に取るようにわかる連帯感のある合奏でした。聞いている人たちに勇気をくれるような優しく強いハーモニーが会場にいる人たちを幸せな気分にしてくれました。3年間育んだクラスの絆を力強く感じる大きな成果を本番で表現することができました。
思えば3年生の皆さんが2年生の時は、元気ではあるがどこかバラバラで、独りよがりで浮いてしまう生徒がいたり、まったく歌わない我関せずな人がいたり、皆さんの気持ちと行動が空回りしていたような印象を持ちました。
一人ひとりが一丸となって一生懸命歌う姿こそ、自然学園が教育目標に掲げるソーシャルスキルです。SSTの一環として音楽祭で取り組んでいる授業の実践を自然学園の理念が行動として汎化したチームワークとして感じ取っていただければ嬉しいです。
当日は、ご覧になっていただいた人たちに素晴らしいパフォーマンスをお見せすることができたと思っています。

前号でも少し触れさせていただいた感覚的なつまずきや認知的なつまずきの特性がある子どもたちが多い中で、リコーダーが吹けない、ダンスが周りの人たちとあわないなど、中学校の音楽の授業や合唱コンクールなどは苦手としていた人たちが多いのではないかと思います。ましてや人前で発表することや話をすることが苦手な人や、小学校や中学校の時に緊張から人前だと言葉が出なかった在籍生もいる中で3年生や2年生の成長には目を見張るものがありました。

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