[高等部通信12月号]学園長より~可能性の扉~6-2

2021年12月20日

在籍生徒には、実習の前には、指示の受け方や日常のあいさつ、報告・連絡・相談いわゆる『ほうれんそう』の重要性などを徹底的に教えて送り出しています。指示の理解や、職場でそのことが実践できるまでには、現場での体験を通して覚えていく他ないのだと思います。そのために必要なグループワークやロールプレイなど、職場を想定したロールプレイを授業として取り入れ、職業体験実習に備えた授業プログラムを導入し職場への適応を図っていきます。

特別支援教育を必要としている生徒の皆さん(通常級で通級などを利用している小中学生や、特別支援学級の情緒や知的クラスに在籍している小中学生)が卒業後の就労を考えた場合に進学できる高等学校がないことが悩みである保護者が多いと思います。今回の『思いやり収穫祭』における【発達障害がある子どもたちのキャリア教育】をテーマにした講演会では、企業の採用の現状とそのための幼い時から家庭でできるキャリア教育などをお話しして、お子様の社会参加のためのベストな選択肢を考えていく内容になりました。今月号では、講演会ではお話しできなかった自然学園で取り組んでいるキャリア教育をご紹介させていただきました。参考にしていただければ幸いです。

今、自然学園の高校3年生は、必死になって企業の内定を取り付けるために、体験就労に臨んでいます。企業見学や説明会、一次面接をクリアしながら、最終の体験就労を終えて、企業から採用の通知を受け取った人たちが少しずつ増えてきました。やはり一早く企業から認められた生徒を考えてみると非常に素直で、何事も積極的に取り組んできた生徒です。そして何より、就職に対しての意識が高く、クラスの仲間を気遣うことができ、学校行事でもクラスの団結や協調性に積極的に貢献する人たちです。それは入学した時から持ち合わせていたスキルではありません。学校生活を通して、時間をかけて積み重ねてきた自分に対しての自信や友達との信頼関係が社会性の向上を後押しした結果だと思っています。決して言葉が巧に扱え、コミュニケーション力が優れている生徒ではありません。どちらかと言えば不器用で、自分の気持ちを表現することや自己PRが苦手な生徒です。

ですが、3年間積み重ねた努力や彼らの誠実さをちゃんと周りの大人は見ていてくれるということだと思います。このような講演会での話が、将来に不安を感じている人たちにとって少しでも参考になればと思い企画させていただきました。

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