[高等部通信2月号]学園長より~可能性の扉~③

2017年4月21日

3、企業が求める採用基準について

それでは企業で働くためにどのようなことが必要なのでしょうか?高等部の保護者の皆様も非常に気になるところだと思います。2月15日に大宮で開催された発達障害者就労支援者向け講習会に参加された企業の方から働くうえで必要な3つのこととして①自分で健康管理ができること②素直であること③働くことの意味を知ることと話していました。①は服薬・通院を含めて自己管理ができること②は人の話を最後まで聞く事ができる③は、企業は学校や支援機関とはちがい、お給料をもらうことができるとしています。

そしてその会社の採用基準として①自立性②コミュニケーション能力③作業能力の3つを挙げています。①自立性として「一人で通勤できること」「一人で食事・トイレができること」「支援者の援助なしに仕事が継続できること。」②のコミュケーション能力は、「『わかる』『わからない』を意思表示できること」「仕事上の質問が自らできること」「人の話を聞けること」「チームとして、ほかのスタッフと働くことが苦にならないこと。」③の作業能力として「集中力があり同じ作業を継続できること」20まで数字が数えられること」「単純・反復作業に一定のペースを維持できること」を挙げています。
非常に明快なわかりやすい採用基準であり、いままで私が企業の方々にどのような人を採用したいですかとお聞きしたほとんどすべてが集約されているように思いましたで細かく記述させていただきました。

今回私がいくつかの企業のお話を聞いて改めて感じた採用にポイントとしては、大きくは4つあると思いました。1つは、なぜ働きたいのかが明確になっている人で、なんとなくまわりの人たちの働きかけだけで就職したいと思っている人は、採用基準から外れてしまうとのことでした。2つめは、障害と向き合うことで自分自身でも自分の障害を把握して、服薬を管理でき、自分の気持ちをクールダウンする方法を熟知することで、自身の精神状態をコントロールできる人であると言うことです。3つ目は正しい生活リズムを保って体調の管理を行うことができ、決められた労働時間で継続的な勤務ができる人。4つめは苦手なことやその適切な対処方法について人に伝えることで、必要に応じて適切な支援を求めることができる人であると思いました。

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