[高等部通信2月号]学園長より~可能性の扉~7-①

2021年3月15日

7、SNSのトラブルと発達障害の関係性

平成30年2月内閣府から発表になった平成29年度青少年のインターネット利用環境実態調査の結果では、平成29年度に小学生でスマートフォンを所有している割合は23%、携帯電話5.4%、中学生ではスマホ54.6%、携帯2.8%、高校生ではスマホ94.1%、携帯1.0%であるそうです。そこでインターネットで何を活用しているかと言うと中学生の84.1%、高校生の92.3%がコミュニケーションであり動画視聴、音楽視聴、ゲームの利用を圧倒しています。
このように高校生に関してはほとんどの生徒がスマートフォンを保有しているだけではなく、インターネットもほとんどの高校生が利用しています。高等部の生徒の皆さんは交通機関を利用して通学しているため緊急の連絡用にスマホを携帯している人が多いです。

このような報道をご紹介したのは、自然学園でもSNSでの生徒同士のトラブルが少なからずあるからです。

一般に発達障害がある生徒の特徴として、言語性の低さや一方的な伝達などによるコミュニケーションの苦手さが挙げられます。重ねてワーキングメモリの問題や衝動性、人の気持ちがあまり理解できないなどの特性が、メッセージのやり取りの上で相手に対して気遣いのない表現や言葉を文章として送信してしまい、グループ内で批判を受けたり、一方的に自分の思いを押し付けることによってグループ内で引かれてしまったりすることが少なくなく、それがきっかけでLINEはずしなどのトラブルに結びつくケースも過去にありました。

このような特性を持った人たちは他の生徒より遥かにSNSのトラブルが生じやすい要素を抱えています。そして興味の偏りやファンタジーを好む特性は自分の世界に入り込みやすく、自分の狭いスマホを通したコミュニティーが自分のすべてであると錯覚し、そのコミュニティーから疎外され、孤立すると生きる意欲さえ失うことにもなりかねません

自己肯定感が低く他者の目を絶えず気にしている人たちは、嫉妬心、猜疑心などを持ちやすく、コミュニティーの自分の存在に対する不安や恐怖心から匿名で誹謗中傷を書いたり、なりすましたりする行為に至る可能性も否定できません。

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