[高等部通信3月号]学園長より~可能性の扉~①

2018年3月20日

平成30年 高等部通信3月号 おもいやり 卒業記念号
学園長ブログ 可能性の扉

「卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。」

後期試験も終わり、2月22日からのスキー教室を心待ちにしていた人たちが多かったことでしょう。今年は例年よりさらに冷え込んだ日が続き山間部では降雪量が多かったため、スキーを楽しむには絶好のコンデションでした。熱心なスキー学校の先生方や広大なゲレンデにも恵まれて3年生との思い出に残るスキー教室になりました。

3年生が今までのスキー教室の経験を活かして、下級生のみんなに見本を示してくれたことによって、下級生も戸惑うことなく、お互いに決められたルールを守りながら先生たちの指示に従って2日間楽しく過ごすことができました。

2年生も5分前行動が、しっかりできていました。行事の度に怒られてしまっていた生徒も今回は時間に合わせた行動ができました。先生の指示を聞くときもおしゃべりをやめて、指示に聞き入っていました。お互いに突き飛ばしたり、大声で友だちをからかったりしておしゃべりをやめない入学当時の態度とは大違いでした。去年のスキー教室に参加できなかった生徒が今年は積極的に参加している姿を見て非常にうれしかったです。確実に変化している彼らの成長を改めて感じ取ることができたスキー教室でした。

なによりも3年生の変化に驚きを隠せませんでした。3年間でこんなにもコミュニケーション力が向上するとは思いませんでした。自信にあふれた元気のいい挨拶も『はい』という明確な返事も3年前とは別人です。自分の気持ちをしっかり表現できるようになったことは社会に出て充分適応できることになるでしょう。
いつも学校行事になるとかならず集合時間に遅れるたり、バスのトイレ休憩に飲み物を飲みすぎて、バスの中でトイレのがまんができなくなってしまったことで全体集会などでは、たびたび怒られていた男子生徒も大きな問題行動を起こすことはなくなっていました。お調子者で相変わらず悪ふざけはともりませんでしたが、クラスのムードメーカーになっていました。スキー教室では、毎年恒例の交流会にも本当に感動しました。下級生から3年生に感謝の言葉を送り、3年生は下級生に対して彼らへの思いを言葉として残してくれました。下級生から慕われていた3年生だったと言うことが改めてわかりました。

3年生とは最後の学校行事となるスキー教室の交流会では、卒業する3年生に対しての後輩からの最後のメッセージとして合唱やダンスを、思いを込めて披露してくれました。   
3年生は、後輩にむかって「いきものがかり」の『ありがとう』を精一杯歌ってくれました。小学校、中学校時代は人前で微笑むことさえできなかった自信のなさはそこには、かけらも見えませんでした。卒業する3年生にぴったりの卒業ソングです。
「“ありがとう”って伝えたくて あなたを見つめるけど~」

みんなが声をあげ歌い上げたその歌声は、3年間の集大成として3年前に私が皆さんに出した大きな課題の答えをもらったように私には聞こえました。1年生のときからスローステップで自分の苦手さと向き合いながらここまで成長した堂々とした姿でした。
 
最後は交流会参加者全員で「いきものがかり」の『エール』を歌いました。一人ひとりが大声で思いを込めて歌っていました。何人もの生徒から純粋な涙が頬を伝えていました。曲の終わりには大合唱になっていました。

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