[高等部通信3月号]学園長より~可能性の扉~②

2018年3月23日

思い起こせば3年前の4月、皆さんは自然学園に入学しました。まだ自信のない緊張した面持ちで入学式の呼応に応えていたあなたたちを思い浮かべます。
自信がないからためか、本来の自分とは違う姿を演じていた生徒が何人かいました。なかなか1歩が踏み出せず、中学と同様に人間関係から逃避していた生徒が何人かいました。自分の言葉をもてず、まわりに迎合しながら、ふらふらしていた生徒がいました。すぐに他人のせいにして現状をやり過ごそうとしていた生徒がいました。保護者に守られながら自分からは、自分の意志で歩くことができない生徒がいました。

今目の当たりしている皆さんは、そんな人たちは一人もいません。
過去の自分自身が嫌いだった皆さんはここにはもう誰もいないのです。

皆さんがこの3年間で自分の意志で自分の気持ちが伝えられ、自分の足で、誰にも頼らず歩いていける力を身につけ、あるときは仲間に支えられながら、茨に道さえ乗り越えられる強い精神力を身に付けることができました。
それは自分とは違う他者を受け入れることができた代償でもあると言えると思います。

 皆さんが今まで、どれだけ苦しんだのか、どれだけの涙を流したか、私は知っています。
だからこそこの日が迎えられて言葉では言い表せないぐらいの思いを胸に抱えています。

 涙は卒業式当日にとっておきます。本当の卒業は皆さんひとり一人に継続就労ができたとき、就労支援事業所や専門学校、大学を卒業し社会に参加することができたときに、初めて私は皆さんが自然学園からまた私から卒業できるときです。それまではまだまだ私の生徒です。

とりあえず「卒業おめでとう。」

そしてわたしから皆さんに伝える言葉があるとするなら
「いままで私を支えてくれてありがとう。皆さんこそが私の勇気であり、私の元気でした。」

いよいよ今日のこの日が来てしまいました。
言い尽くされた言葉ですが、時の過ぎゆくことは本当に早いものです。
私は卒業生の皆さんのいる日常が、当たり前の光景と思って日々の業務に取り組んでいました。
明日から卒業生の皆さんが校舎にいないことが想像できません。
せっかくの新しい門出の時にお祝いの言葉よりさびしさが募る私を許してください。しかし、これが私の偽らざる気持ちです。
 
 卒業式の当日に私が皆さんにお伝えする送辞の言葉を最後の高等部通信「おもいやり」の卒業記念号で掲載させていただきます。皆さんがこれから歩んでいく道の途中でつまずくことがあったら、私を思い出し読み返してください。

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