[高等部通信3月号]学園長より~可能性の扉~②

2017年5月1日

ここで言いたいことは、自分はこんなつまずきがあるから、こんなことができない。だから配慮されて当たり前だという考えでは、社会や企業は受け入れてもらえません。自分のつまずきを自分で理解したうえで、どのような配慮があれば業務が遂行できるかを明確に伝えたうえでの、企業がその配慮が合理的であると判断したうえで受けられる配慮が合理的配慮です。合理的配慮は求める側のしっかりとした準備が必要なのです。

ビジネスマナー、グループワーク、コミュニケーシャンなどのソーシャルスキルトレーニングの教科はそのための実践力をつける学習なのです。
学校行事の班リーダーを中心とした班行動や生徒心得を守って、他の人に迷惑をかけないようにするための生活指導は、皆さんが社会に参加するうえで必ず役に立つものです。

生徒心得のルールを守れずに生活指導を受けた生徒や学校行事や授業中に私語が多かったり自分勝手な振る舞いをして、周りに迷惑をかけたり、行事の予定がずれこんだり、授業が中断してしまったことから先生に怒られた人たちもいたと思います。「もっと自由にさせてくれよ。好きなようにやらせてくれよ。」そんなことを心の中では思っていた人もいると思います。企業の就職が決まった人はきっと注意された意味を実感できると私は思っています。

本日卒業を迎えた生徒たちの中には、文科省が発表している不登校の主な理由に倣い、無気力や不安による情緒混乱などによって登校できなくなった生徒たちがいます。人から、からかわれたり、馬鹿にされたりすることで、自信がなくなり、学校からドロップアウトした生徒がいます。自分とはタイプの違うクラスメートを受け入れることが出来ずに自分自身と葛藤していた生徒がいます。人から嫌がられることをわざと実行し、まわりからの注目が自分に注がれることを気持ちよく感じる誤学習が日常化して、ほかのクラスメートの距離が遠くなってしまった人たちがいます。クラスに入ると緊張からクラスメート話すことができない生徒がいます。卒業生ひとり一人が、個性的ないろんな特徴を抱えた私にとって何よりも代えがたい大事に、大事に育てた宝物です。

(続く)

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