[高等部通信3月号]学園長より~可能性の扉~④

2017年5月10日

私が日ごろからみなさんにお話しさせていただいている私の好きな「一隅を照らす」という言葉があります。在校生の皆さんは何度か耳にした言葉だと思います。
「一隅を照らす」ということは「これすなわち国の宝」といって「社会の片隅でもよい、必要とされる人物になれ」「縁の下の力持ちになれ」という意味です。
 あなた方、卒業生のこのようなおこないこそが「一隅を照らす」の精神なのです。
天下国家に関わる偉人に誰しもがなることはできない。自分が今与えられた仕事、自分が出来る仕事を誠実に極めることで、自分の仕事を必要としている人にとっては必要不可欠な存在になりえる。自分のやっている仕事が少数の人たちに貢献できているということ、このことに誇りを持って取り組む人こそが国においての宝だと、この言葉は意味しています。

卒業生の皆さんは、いよいよ社会に参加していくことになります。掃除の仕事を与えられた人は、あなたがいなければ気持ちよく一日が過ごせないと言われるぐらい、あなたの清掃サービスを受ける方々から思われる仕事をしてください。コンピューターの仕事に従事する人は、誰よりも正確にデーターを入力し、なるべくミスを少なくすることで、周りの人たちに信頼を受ける仕事をしてください。大きな成果を残すことだけがすべてではありません。自分にできることを愚直なまでに、心を込めて遂行すること、このことこそ「一隅を照らす」という意味なのです。そして、一人でもあなたがいなければ困る人がいるような仕事をしてください。

最後になりましたが、保護者の皆様にお慶びを申し上げます。本日は本当におめでとうございます。お子さんは人生において最も大切な時期に入ります。楽しみの多い反面、保護者として心配されることも多いかと存じます。
 しかし、皆様の前向きに生きる姿が、必ずお子さんを勇気づけ、良い方向に向けて行きます。お子さんが夢に向かう姿を、どうぞあたたかく見守り、導き、家庭でも笑顔の花をたくさん咲かせて下さい。
 これまでいただきましたご厚情に深く感謝いたしますと共に、今後ともよろしくお願い申し上げます。

 さあ、卒業生の皆さん。羽ばたきの時です。胸を張って、笑顔で飛び立ってください。自信をもって堂々と歩んでください。
ご卒業おめでとうございます。
 

 平成二十九年三月五日
        自然学園学園長  小林 浩

お問い合わせはこちら