高等部通信4月号 学園長ブログ~可能性の扉~-6

2023年5月29日

7、自然学園高等部での学習とは

本来、通信制高校の単位認定はレポートの課題の提出とスクーリングと言われる面接授業の出席が必修になっていて、年に数回程度のスクーリング以外は自宅での自学でも学業が修められる制度です。現在の通信制高校は各地域に学習センターを設けて授業形式で自学自習を補っている現状があります。これは、現在の通信制高校在籍生徒の現状に理由があります。実は、通信制高校在籍生徒のほとんどが中学校や高等学校在籍時に不登校を経験している人たちであり、それ以外の人たちは通級を利用していた人たちや、小学校、中学校の途中で特別支援学級に籍を移した特別支援教育を必要としている人たちが中心です。

そのような人たちは先ほども触れさせていただいたように読む、書くなどに苦手さがある人たちなので中学校時代のワークや課題提出と同様、レポート課題などの提出を苦手としている人たちです。そのような人たちにとって自学自習でのレポートの提出は負担が大きいと思います。また、リモートでの学習や動画の配信など一方的な学習も同様です。

また、通級や支援学級に在籍していた特別支援を必要としている人たちは、高等学校で経験する行事や人との関わりを期待して入学してくる生徒がほとんどではないかと思います。むしろ全日制高校と同じような学校生活を期待している生徒の方が多いと思います。自学自習での単位認定が難しいので、学習センターに通って授業を受講している生徒が多くなるのです。自然学園は通信制高校の技能連携施設の認定を受けている学習センターです。ですから当然、自然学園で学習することで高校卒業資格が取得できる訳です。授業に出席することが単位の認定に結び付きます。

高校で不登校を経験した生徒の中には学習面には問題はなく、ブラック校則に代表されるような生徒指導上の問題で行き渋りや不登校が始まった人たちもいます。そのような人たちはむしろ配信やリモートでの学習を望んでいる人たちでしょう。通信制高校の場合は視聴覚での学習を選択すればスクーリングの10分の8まで免除されるので、文字通り自学自習の通信教育で単位の認定が可能なのです。海外を舞台にしている高校生のアーティストやアスリートなどはこの制度を利用している人たちが多いです。

高等部の学習はそれぞれの学習でのつまずきに配慮しながら、現在の学習到達度に沿った学習課題を授業で進めていくことが基本になります。それぞれの困難さに対してできるだけ配慮したユニバーサルデザインを支援の中心においています。

入学した新入生の生徒の皆さんが理解できる授業を心がけていきます。

 

8、おわりに

ようやくマスク着用の義務が解除され、マスク着用は自己判断に委ねられるようになりました。しばらくは、引き続きマスクを着用する人が多いと思いますが、やがてはコロナ前の日常に戻ると思います。自己判断とは自分で考え自分で決断することです。この自己判断こそ皆さんが卒業するために身につけなければいけない力であり、社会に出るスキルとしてはとても重要な能力になります。日頃からご両親に判断をゆだねるのではなく、自分自身で自分の行動やこれからの進路は決めなければいけません。それができなければいつまでも自立ができません。自分で決めて決断することの大切さを皆さんには意識し、遂行してもらいたいと思っています。

自己判断とは個人の判断を尊重することで、マスクをしない権利もする権利も認めるということです。決して多数派が正しいわけではありません。他者の判断を尊重することも、これから皆さんは学んでいかなければいけません。そして、決して少数派の意見を軽視し批判しないことが大切です。

いじめという行為は決してしてはいけないことです。しかし、行動や外見など目に見える他の人と違った何かが、そのような人を疎外したり、その人の悪口を言ったりする行為につながるのです。これがいじめです。人がいじめられていることで、自分がいじめから回避できた気持ちになる人もいます。ですが、いじめは自分を守るための卑劣な行為で、このような卑劣な行為を実施したり繰り返したりする者は、必ず自分も同様の思いを経験することになると思います。

自然学園はいじめを絶対に許しません。このことを決して忘れずに、楽しい学校生活を前向きに過ごしてください。

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