[高等部通信4月号]学園長より~可能性の扉~⑤-1

2019年6月7日

5、発達のつまずきある子どもたちの学ぶ力

 今回は上記の事柄も踏まえ、発達障害がある子どもたちの学ぶ力についてお話しさせていただきます。

 高等部の説明会でも触れさせていただきましたが、発達障害のある子どもたちは、その特徴として認知の弱さや感覚的なアンバランスさがあると言われています。そして通常学級で授業についていけないことや学力の原因の一部としてこの認知の偏りが起因しているとされています。発達障害がある子どもたちの場合、知的な低さに問題がなく勉強が苦手としているLD傾向をどんな生徒も少なからず有しているケースが見られます。認知とは情報を処理する力です。認知能力とは、見る、書く、聞く、話す、覚える、考えるなどの知的機能の総称でいわば学習する力の基礎となる能力だと言っています。そしてLDと診断を受けている人たちやその傾向のある人たちは、読み、書く、聞く、話す、計算・推論の能力に著しく困難さがみられる人たちです。

 人間が学ぶときに必要とされる力として、1番目に聞く力、2番目に話す力、3番目に読む力、4番目に書く力、5番目に計算する力、6番目に推論する力であると言っています。結論として人間として一番必要な力は聞く力だと言っています。そして聞く力とは聴覚的短期記憶だと結論づけています。聴覚的短期記憶の弱さは母子関係の愛着的な障害を引き起こし、反社会性のつまずきに結びつき、そのつまずきは自閉症の特徴である「社会不適応性」そのものであるとも言っています。見ることと聞くことの本質的な違いは、見ることは、消えない情報であり、あとで残る情報であるが、聞くことの情報は一瞬、一瞬消えていく情報であるということです。

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