[高等部通信5月号]学園長より~可能性の扉~①

2019年7月17日

令和元年 高等部通信5月号
学園長ブログ可能性の扉
1、はじめに

GW明けから梅雨時にかけては、気候の変動と精神状態が微妙に関係していてどうしても体調を崩しやすく、日によって「不安」や「憂鬱」「イライラ」が隠し切れない子どもたちによるトラブルが、時折生じます。このことも我々自然学園のスタッフの間では、この時期のもうひとつの憂鬱のたねなのです。

 中学校からの不安が新しい環境で強くなる時期も長い連休明けが多いとされています。
一般に発達障害のつまずきからくる2次的な障害のひとつには、体調が悪い日に他の生徒にちょっかいを出して見たり、自分の悪口を言われたと言って大声を出してわめいたり、落ち着かなく暴力的な行為に及んでしまう子どもたちがいると言われています。生徒間のトラブルや先生への反抗など問題行動で小中学校の時に先生方を困らせている典型的な発達につまずきを持った子どもたちのケースです。

今回6月16日の日曜日に定期講演会で講演を依頼している自然学園の医療顧問でスーパーバイザーを務めて頂いている自閉症スペクトラムに詳しい医師である海老島宏先生の話では、そのような子どもたちの体調が悪く問題行動を起こした日の統計を取っていくと天候や気圧の変化の共通性を見出すことができるそうです。それがわかることができれば、そのような日には、刺激が少ない保健室のような部屋で登校直後から対応することがパニック的な行動や問題行動を防ぐ、最も効果的な対策であると教えてもらったことがあります。

そういう意味では、この季節は特別支援を必要としている子どもたちにとっては、鬼門の季節であり、教職員にとっては試練の時なのです。

気圧の低さも含めて精神的にも不安定になっている人も多いことと思います。
 そうでなくても5月の連休明けは、新しい環境での学校生活の緊張から解放され、ストレスからくる疲れが身体的にも影響を受けやすくなる時期です。高等部の生徒の皆さんも中学校時代に経験した人が少なくないと思います。一度緊張の糸が途切れ学校に行かない生活をしばらく送ることで、不登校経験があるような発達障害傾向の人なら尚更、不安が大きくなり学校に行きたくない気持ちが強くなり、それに伴い情緒が混乱してパニック傾向になり、夜眠れない、おなかが痛い、頭が痛い、熱が出るなどの身体症状が現れる経験もこの時期に起こりやすい現象です。一般的にも休みを挟むことで、学校や会社に行きたくない気持ちが強くなる時期なので、この現象は「5月病」などと称されています。おかげさまで心配された1年生の皆さんも元気にGW明けも登校しているので安心しました。

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