[高等部通信5月号]学園長より~可能性の扉~④

2019年7月29日

4、防災訓練と修学旅行について
自然学園では、5月15日(水)に防災訓練を行いました。首都圏直下型地震を想定することはもちろんですが、昨年自然学園の近隣でも見舞われた自然災害も想定しての訓練を実施計画に反映しました4年前には、9月の台風の影響で春日部や越谷では水没地域があちらこちらで見かけられ、さいたま、春日部など6市町で41棟が床上浸水するなど各地で被害がありました。越谷市の東武スカイツリーラインせんげん台駅では線路が冠水、運転を見合わせました。自然災害はいつ起こるかわからない私たちが、いつも心にとめていなければいけない大きな危険なのです。島国であり火山国である日本は東日本大震災以降、自然災害はいつ起きてもおかしくないものとして国民の認識も変化してきました。実際、私たちが暮らしている関東地方は、箱根大涌谷噴火や鬼怒川堤防決壊による大規模浸水など身近で大規模な災害が想定されるような被害や危険がたびたび起こっています。

自然学園では想定外の自然災害への対策の困難さはありますが、出来る限りの想定をした避難区域を限定した避難訓練を実施することで生徒の命を守る防災計画を立案実行していく考えです。

自然学園では、毎年5月に高等部3年生が修学旅行を実施しています。今年度も昨年同様みちのく路を旅する行程になります。5月23日から25日の2泊3日の日程です。
1日目は、最初に岩手県世界遺産である中尊寺金色堂を皮切りに奥州藤原氏の栄華の足跡に思いを馳せ、源義経など歴史に翻弄されたゆかりの地である平泉を訪ねます。
そのあと宮沢賢治童話村を見学します。だれもが一度は、賢治の文学に触れたことがあると思います。賢治の小説を読んだことのない人でも小学校の国語の教科書や中学校の国語の教科書で賢治の作品を勉強した記憶はあると思います。童話を超えたシュールな独特の賢治の世界観は世界中の読者ファンを今なお魅了し続けています。
その原点は、賢治が生まれ育った岩手県花巻市にあります。そこから見える岩手山、小岩井農場、草木や星空など自然のすべてが賢治の小説の重要な題材になっています。
私が一昨年前に見学した宮沢賢治童話村は、それらの小説のモチーフを展示し説明している賢治の学校や童話の一部分を文章の掲載とともにジオラマで表現されているブースや神秘的なオブジェや幻想的な宇宙空間など賢治の小説に描いてある世界観を表現しているブースなど、なかなか想像力が働かない空想力に乏しい人たちにも賢治の童話の世界にどっぷり浸ることのできる展示物の数々でした。『銀河鉄道の夜』『注文の多い料理店』など、まるで小説な中に迷宮したような不思議な思いに包まれたようでした。生徒たちは、若き賢治に出会ったつもりになってイーハトーブに描かれた理想郷のモデルの地を体感できたと思います。2日目は、小岩井農場から宮城県の仙台に向かい仙台市天文台を見学します。小岩井農場ではグループごとに分かれて農場内のオプションを楽しみました。岩木山がかすかに見える曇り空でしたが、乗馬、水上ハムスターやバンジートランポリンなど大自然抱かれながらのアトラクションにドキドキわくわくしながら、普段経験できないスリルを満喫できたようです。3日目は、日本三景の一つである松島湾をフェリーで観光しながら日本三景の一つである松島を堪能しました。そして最後に東日本大震災で被災した旧荒浜小学校に立ち寄ります。

修学旅行は皆さんが今まで社会に出るために培ったソーシャルスキルを試すための集大成であると思ってください。規律を重んじた行動や他者を気遣うことのできる思いやりある行動が3年間学びを共にしたクラスメートとともに実践することが大きな課題となります。この修学旅行を、いつまでも皆さんの大切な友達として付き合い続けることになるクラスの仲間と一生の大事な思い出として残してください。

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