[高等部通信5月号]学園長より~可能性の扉~1

2020年5月14日

1、はじめに
日ごろより自然学園の教育方針にご理解、ご協力を賜り誠に感謝しております。
世界中で新型コロナウイルス感染拡大が深刻化し終息の目途が立ちません。日本でも首都圏での感染者の急増で、諸外国の非常事態宣言より遅れて、ついに緊急事態宣言が4月7日に発令されました。自然学園がある埼玉県は、隣接している東京都、千葉県とともに対象地域に指定され、東京都、神奈川県に続き、人の集まる施設に4月13日に休業要請を行いました。対象になった地域の公立学校では5月6日(水)の連休明けまでの臨時休校としています。この状況も踏まえて自然学園では5月8日(金)まで臨時休校とさせていただきました。入学式も含めて度重なる予定の変更をお詫び申し上げます。何より現在は、お預かりしている生徒の命と健康を第一に考え、国や自治体の方針に従い休校の決定をさせていただきました。ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

自然学園高等部では早速新学期にあわせてレポートを送付させていただきました。予習する意味での課題であり、自分自身で消化して勝手に提出しろとの意味ではありません。発達障害傾向のお子様の場合、先の見通しがつかない人が多く、授業をいきなり受けてもわかりづらい人が多いと思います。そのようなお子様の場合、これから受ける授業をわかりやすくするには、復習より予習が大切です。一度見たことがある聞いたことがある内容のほうが、はるかに頭に残りやすく理解度が高くなります。

本来ならば通信制高校の単位認定はレポートの課題の提出とスクーリングと言われる面接授業の出席が必修になっていて、年に数回程度のスクーリング以外は、自宅での自学でも学業が修められる制度です。現在の通信制高校は、各地域に学習センターを設けて授業形式で自学自習を補っている現状があります。現在通信制高校に在籍している生徒のニーズは、学校に通わずに済むということではないからです。自分が授業を受けているクラスに居場所を見つけ、高等学校で経験する行事や人とのかかわりを期待して入学してくる生徒がほとんどではないかと思います。むしろ全日制高校と同じような学校生活を期待している生徒のほうが多いと思います。自学自習での単位認定が難しいので学習センターに通っているのです。自然学園は通信制高校の技能連携施設の認定を受けている学習センターです。

ですから当然自然学園で学習することで高校卒業資格が取得できる訳です。今回のことがあってレポートの課題を送付したのは、自学自習でのレポート提出を求めたわけではありません。これから学ぶレポート課題を自然学園で学習していくために、学習課題の取り組み方を予習してもらう意味が大きいのです。

教科書を見て書けない答えは解答する必要はありません。読むこと、書くことが苦手な人は担任の先生と相談して進めることは当然のことです。この休校要請で入学式も延期になり担任の発表もないままなので、説明が十分出来なかったことはご理解いただければと思っています。

一般の公立高校の生徒とは違い、学習課題に保護者が一緒に取り組まないと、なかなか一人では自主的に取り組めないお子様が多いので、保護者の皆様には何かとご迷惑をおかけしていると思います。今月号では家庭学習の取り組み方について、少し触れさせていただきました。保護者の皆様にもご協力をお願いしたいと思っています。お子様においては臨時休校や外出禁止の意味を考えて自宅で健康管理に努めて有効な時間を過ごしてほしいと思っています。

新型コロナウイルス感染拡大に収束の目途が立たず、公立学校が臨時休校を延期した場合、それに準じて自然学園高学部では各ご家庭に学習課題(レポート等)の送付と、それを補助する学習動画の配信を検討しています。また臨時休校が長引く場合は、送付させていただいた課題(レポート)が返却され次第添削し、電話連絡を取りながらのご指導で学習を進めさせていただきます。なお、課題につきましては、登校再開後の授業の中でお子様に返却させていただく予定です。SNS等のツールを利用したフォローも現在検討しております。詳細が決まりましたらご連絡いたしますので、保護者の皆様の変わらぬご理解ご協力を引き続きお願い申し上げます。

自然学園では、授業再開後もマスクや手洗い、除菌における感染対策を徹底したうえ、通学の安全性が確保できる配慮を怠らないよう努めていく所存です。
また臨時休校中のお子様でもこの時期にメンタルに不安があるお子様には、自然学園リソースルーム担当職員によるメンタルケアを電話相談にて実施しています。お気軽にお問い合わせください。お申込みをいただいた方には、カウンセリングの時間を追ってお知らせします。

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