[高等部通信5月号]学園長より~可能性の扉~3

2020年5月21日

3、五月病について

この時期はそうでなくとも、入学前から新しい環境への適応に対する不安を抱えながら新学期を迎え、春先は精神的なバランスが崩れ、精神的な不安定さが助長されやすい時期なのです。このような状況で、新学期の登校再開に不安を感じているお子様方は少なくないと私は予想しています。さらに、今まで学校生活の中で、不安による情緒混乱が生じて不登校を経験したことがある生徒や、二次的な障害等が生じて精神科に通院したり、薬を服用しているお子様方ならなおのことです。そのようなケースのお子様が、新しい環境に適応できずストレスが過剰になり、連休明けから学校に登校できなくなる状況は、容易に予測できます。そうでなくても5月は、気持ちが不安定になりやすい時期で「五月病」という言葉が一般的になっているくらいです。

 

一般的に「五月病」というと、新入社員のサラリーマンや大学生の新入生などにみられる新しい環境に適応できないことに起因する精神的な症状を指していました。ゴールデンウィーク明け頃から毎日の生活にやる気をなくしてしまう状態が続くことで、医学的には適応障害や気分障害、鬱(うつ)と診断される症状です。

最近は、中学生、高校生ばかりではなく小学生、幼児への低年齢化が進んでいるようです。バンブー教室の子どもたちの場合、発達のつまずきが起因して、元来、二次障害と言われる精神的な不安定さや不登校などの問題行動が伴いやすい特色があります。

 

症状としては、いらいらすることが多くなったり、学校に行くことが億劫になったりすることがあります。「不安」「焦り」「憂鬱さ」が強く感じるようになることもその一つです。

 

朝、なかなか起きることができない、夜眠れない、食欲がない、頭痛、めまいなどを頻繁に訴えるようになったら要注意です。タイプ的に言うと真面目で完璧主義的な性格で、自分で早く環境に適応したいと頑張る気持ちが強い人ほど、期待していた新生活のギャップに落ち込んだり、必要以上に頑張りすぎたりして緊張が強くなり、モチベーションが継続できなくなる傾向にあるようです。 そうならば、中学校で特に発達のつまずきがあるお子様におこりやすい『中1ギャップ』と一般に言われてきたつまずきは、「五月病」と同じ状況だと考え、慎重に対応していく必要があると思っています。また同じような状況は中学生に限らず高校生や小学生にも起こり得ることだと思っています。

 

小学生で、学年が進級したので、勉強を頑張ろうと思って必要以上にやる気になっている生徒や始業式に対面した新しく変わった担任の先生に嫌悪感を抱いて、いまだに緊張状態が継続している生徒がバンブー教室の生徒の中にも見かけるので心配しています。

 

高等部に通っている子どもたちは、勉強が苦手だと認識している人たちが大半を占めている人と較べられたり、叱られたりした苦い思い出がトラウマ的になっている人ならなおさらです。以上の理由から5月は、新型コロナウイルスによる臨時休校によって、子どもたちの不安が大変高まっていることが容易に考えられるので、学校再開後も油断すると、お子様の気持ちの不安定さを見逃してしまうことになるので十分に注意が必要な大切な時期だと思います。

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