[高等部通信6月号]学園長より~可能性の扉~④-2

2018年8月3日

自然学園の生徒の皆さんの中には、言語性が低く自分の気持ちをうまく相手に伝えられない特性を持っている人たちが多くいます。コミュニケーションに関しても、一方的で自分の主張や言いたいことに終始して相手の気持ちは理解しようとしないことも特徴の一つだと言えるでしょう。もともと傷つきやすく、他人に嫌なことをされたり言われたりしたことは決して忘れません。それどころか時折、思い出してパニックになってしまうのです。フラッシュバックと言われている状況もこのようなことだと思います。
高校生のスマホの利用時間は、午後10時から12時に集中しているそうです。自分の部屋にこもり、嫌なことを思い浮かべて悶々としている時間と利用時間が重なっているので、学校での人間関係のトラブルやクラスメートの不満や自分にとって許しがたい行為をされた場合、SNSを使って自分の言いたいことを一方的に送りつけてストレスを解消しようとする人が多いようです。特に、グループに所属している場合、ネット上で自分の打った文章が、他の人からどのように理解されるかを考える余地もありません。自分の意見だけ一方的に主張します。それが拡散するので、当然のようにまわりとの確執を生みます。それが人間関係の大きなトラブルになっているケースが非常に多いのです。いじめにつながることや人間関係の不安につながり情緒の混乱を招くケースは、少なくありません。

自然学園に入学してきた生徒のほとんどは、一般の高校生と同じような人間関係の構築を自然学園の学校生活に求めています。友人ができたこと、その友人とSNSでつながっていることは、彼らの登校する意欲につながっています。自然学園では、あまりそのような生徒の皆さんに制限を加えたくありません。

そうであるならばそれぞれの家庭で安全なスマホの利用の仕方を話し合い、正しく利用できるような約束事を作ってほしいと思っています。家庭内での話し合いが、高校生のネット利用の安全意識を高めると言われています。現在では、保護者と高校生が、スマホ利用について話し合うことがもっとも大切だということが高校生のスマホ利用の原点だと認識されています。ぜひこの点に関して保護者の方のご協力を仰ぎたいと思っています。よろしくお願い申し上げます。

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