[高等部通信6-7月号]学園長より~可能性の扉~②

2016年4月1日

自然学園は、自立に結び付く社会性を授業や学校生活および体験学習等で養い、生きる力を身に付けることを目標にしています。3年間を通じた体系的なキャリア学習と、企業が必要とする基礎学習と、ソーシャル・スキル・トレーニングをカリキュラムの中に組み入れていて、実際に社会が求めている生きる力の修得に力を入れています。企業体験実習はその力を試すための貴重な体験学習となるのです

夏休みに実施する企業見学会は、将来の就職に向けての自分自身の目標設定をおこなうきっかけになることでしょう。

将来または卒業したら働きたいと考えている人たちにとって、実際に働く人たちの姿を見ることは自分が実際に働くことのイメージに結び付き、自分が働くうえで身に付けなければいけないこと、自分に足りないことが課題として見えてくると思います。

自然学園では、「自分には何が向いていて、何ができるのか。」「働くことの意義はなにか。」「働くとは具体的にはどういうことなのか」について企業見学会や就労体験を学習カリキュラムに組み入れながら、具体的に考えさせ、自分なりの答えが導き出せるような1年次から継続的なキャリア教育の推進をめざしています。

この見学会で働くことの意義が理解できたら、その後どのような目標をもって高校生活を過ごしていくかがキャリア学習のポイントになります。ひとつずつ習得しなければいけない課題をクリアするにつれて、自分の目標がはっきりするはずです。その積み重ねが、就労スキルを育み、企業に実習で認められれば就労の実現にまた一歩近づきます。そのために必要な授業をキャリア学習授業として、年間の学習計画に組み入れています。各学年の時間割は、一人ひとりの将来的な自立を考えた実践的なカリキュラムを導入しています。夏休みの企業見学会はそのなかの一つの取り組みです。

二年生からの時間割では、選択教科で、金銭管理や作業実習など、実際の企業で要求されるPCの活用も含めた作業スキルの修得や、実社会で必要とされる日常マナーや、金銭管理の習得などを目指しています。社会に参加するうえで、敬語や正しい言葉づかいは必ず必要になることです。そして、特例子会社であっても業務依頼や指示に対する正確な返答や、ある程度のコミュニケーションスキルは必要不可欠な、勤務するうえでの条件として提示されてくるでしょう。それが身についていなければ就労することは、夢のまた夢です。

三年生では、これらに加えて問題解決技能訓練を前提として、就労の際にイレギュラーな問題事項やアクシデントが生じた場合に、あわてずに、的確な伝達ルートに従って情報を責任ある立場の職員に正確かつ迅速に報告することができ、柔軟な発想力で問題から生じる被害を最小限度に収拾できる判断力や、未然に防ぐことができる対応力を養うSST(ソーシャル・スキル・トレーニング)を導入しました。まさしく働くうえで必要になる実践力、ビジネススキルのマスターにつながる授業です。アサーショントレーニングもその一つです。

このようなキャリア学習授業と並行するように企業の就労実習や、それに基づく事前指導や実習報告会などを計画的に取り入れ、企業に要求されるスキルが体験を通して理解でき、行動として実践することができ、企業や社会が受け入れてくれる人材の育成を自然学園はキャリア教育の目標としています。もちろん個々の特性やスキル、将来的な進路希望を配慮することは言うまでもありません。

(つづく)

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