[高等部通信8月号]学園長より~可能性の扉~③

2016年9月2日

体験就労を経験している人たちの仕事内容は企業によって違いますが、それぞれの仕事に慣れないながらも一生懸命取り組んでくれているようです。働くことの「楽しさ」や「やりがい」を実感できた生徒も少なくないようです。

2005年から施行された発達障害者支援法が10年を経過して、より発達障害者が社会に参加しやすくなる法律改定の動きがあり改定案が参議院を通過したとの報道がありました。
障害者雇用促進法の改定が行われ発達障害者が精神障害者保健福祉手帳の取得によって障害者雇用での就労が可能になっていますが、改定案の一つには、発達障害者専門の手帳の発行を検討する項目も含まれているようです。
平成26年の法定雇用率を達成した企業の割合は44.7%、実雇用率も1.82%と過去最高を記録しました。雇用障害者数は43万1,225.5人で、前年と比べて5.4%も増加しています。 また、26年度では精神障害者の就職件数が身体障害者の就職件数を大きく上回りました。
発達障害者支援法施行以前の身体障害者の雇用率は障害者雇用全体の約76%で精神障害者の割合は4%しかすぎませんでした。
従来の精神障害者の中心は統合失調症や鬱などの精神疾患を抱えた人たちが中心でした。
そのような人たちのほとんどは、通勤することに困難さを伴う症状がある人たちなので、企業が雇用するには、難しい人たちでした。
現状としては、身体障害者の雇用が難しくなっている現状があります。それは、身体障害者の81%が60歳以上の高齢者だからです。

このような状況を踏まえ、これからの障害者雇用の主役は身体障害者に代わって精神障害者になるだろうと言い切る企業が多くなってきています。当然、その対象は発達障害者であり、採用に積極的に舵を切っていくだろうと予想されます。

ここでは、今回の体験就労で経験した仕事内容、求められている就労スキルを考察して「どのような人材が、企業側が求めているのか?」「採用されるためのスキルを身につけるにはどのようにしたら良いか?」をお話したいと思っています。
(つづく)

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