[高等部通信8-9月号]学園長より~可能性の扉~③

2018年9月13日

3、第12回定期講演会

 

自然学園では、9月9日(日)に定期講演会を行います。自然学園では、発達のつまずきのある子どもたちの理解を保護者の方々に深めてもらう機会として、発達障害がある子どもたちの保護者の方々を対象にした発達障害セミナーを定期的に開催しています。9月9日(日)に予定しています定期講演会のテーマは、『発達障害があるお子様が社会参加(就労)に結びつく障害者手帳取得の有用性 ~発達障害の告知はどのように誰が行うべきか~』です。

松為信雄先生は発達障害者の就労支援では、日本の第一人者というべき障害者就労の研究者でありスペシャリストです。専門は職業リハビリテーション学です。早稲田大学卒業後、雇用促進事業団職業研究所(現:労働政策研究・研修機構)研究員、日本障害者雇用促進協会(現:高齢・障害・求職者雇用支援機構)障害者職業総合センター主任研究員、東京福祉大学教授、神奈川県立保健福祉大学教授、文京学院大学教授、文京大学人間学部 人間福祉学科客員教授、厚生労働省労働政策審議会障害者雇用分科会委員、日本精神障害者リハビリテーション学会常任理事、「ニッポン一億総活躍プラン」フォローアップ会合 議員を経て2017年より現職になっています。著書に『発達障害の子どもと生きる』(幻冬舎ルネッサンス新書)、『これでわかる発達障がいのある子の進学と就労―充実した子どもの将来のために』(成美堂出版・共著)などがあります。

私が大学部のカリキュラムの参考にとたまたま手にした松為先生の著書に強く感銘を受け、今まで自然学園で取り組んできた、発達障害がある児童生徒、学生が将来の自立に至る学校教育としての支援内容や目標の置き方にずれがなかったことに確信が持てました。それ以降松為信夫先生の講演会に足を運びより深いお話を聞く機会に恵まれ、講演会の会場で自然学園のサポートをお願いしたことが今回の講演に結びついています。松為先生の講演は今回で3回を数えます。

障害者雇用促進法における法定雇用率が平成30年4月から2,2%になり平成33年4月までにはさらに1%引き上げられます。 今回の法定雇用率の変更に伴い、障害者を雇用しなければならない民間企業の事業主の範囲が、従業員50人以上から45.5人以上に変わります。1億総活躍プランに障害者の社会進出は不可欠であり、現在の障害者就労の中心は発達障害がある精神障害者です。このような現状を踏まえて発達障害者の障害者手帳取得におけるメリットや企業への就労の現状、それにともない保護者は障害者手帳取得にともなう告知をどのようなタイミングで「いつ」「誰が」「どのように」お子様に行えば良いのかと言う保護者の皆様がお悩みになっている事柄を今回のテーマにしました。今年も大宮のソニックシティーを会場にしています。

定期講演会の講師を務めて頂いく松為信雄先生は日本の第一人者というべき障害者就労の研究者でありスペシャリストで、日本のジョブコーチ制度の創設に貢献しただけではなく、現在は「1億総活躍社会の実現」に向けた具体策を話し合う「一億総活躍国民会議」の民間議員15名の1人として就任されていて国家のために尽力されています。平成30年からはじめられた高等学校における特別支援教育の導入に際して、「高等学校の通級学級による指導の制度化」の実現に向けてスーパーバイザー的な役割を果たしていました。高等学校における特別支援教育については後で詳しく説明させていただきます。そして、とくにその通級における指導で最も重要なことのひとつである発達障害がある高校生の就労支援において重要な提言をされてきた立場の方です。平成28年5月に法制化された合理的配慮に関する研修に一般企業に依頼されてよく訪問されているそうです。

小中学校での通級利用者が年々増えてきた昨今、卒業後の進路や発達障害がある子どもたちの就労に対してお悩みになっている保護者や教育関係者が多いことと思っています。そこで第11回の自然学園定期講演会では、前記した主題とあわせて発達障害者の就労は、「今後どのように変化をしていくのか」また一人ひとりがどのような取り組みをすることで「発達障害者の特性を生かした就労が実現できるのか」「学校でやらなければいけない発達障害者に対するキャリア教育はどのようなものか」「通級を制度化した高等学校における特別支援教育の実施で発達障害の就労が今後どのようになっていくか」等をご講演していただく予定です。

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