[高等部通信9月号]学園長より~可能性の扉~3

2019年10月29日

3、教育機会確保法を受けての動き
 上記でご紹介させていただいた自然学園中学部は小学部とともにフリースクールです。不登校が社会問題になってきた2000年以降、学校に行けなくなってしまった不登校生徒のもう一つの居場所としてフリースクールが認知されるようになっていったと記憶しています。以前から公立小中学校の許可を受けたフリースクールに限り、指導要録上の出席が認められるようになっていました。しかし学校によっては、フリースクールに通うことを良しとしないケースも多くあったと認識しています。
 2016年12月に教育機会確保法が成立しました。義務教育課程にあたる小学生、中学生の児童・生徒で学校に行けない、学校に行かないなど不登校を経験している児童・生徒に普通教育の機会を保障する法律が成立しました。簡単に言うと義務教育である小中学校に行かなくても普通教育が受けられる権利を保障した法律で、国や自治体に不登校生徒の支援責務として行うよう義務づけた法律です。

 この法律によって教育委員会も学校も積極的にフリースクールとの協力を強調するようになり、教育委員会は協議会を設け、在籍校の先生はフリースクールに出向いて、在籍生徒の授業参観するケースが多くなってきました。フリースクール、在籍校、家庭等でトラブルがあった場合には、教育委員会もその解決に関与する姿勢を見せています。特別支援教教育が導入された時の趣旨に立ち返れば当然のことであり、非常に良いことだと思っています。
 この法律をきっかけにフリースクールの質の向上と、自然学園小学部・中学部の認知度が高まり、高等部に移行することで多くの卒業生が社会で活躍するようになれば良いと心から思っています。

お問い合わせはこちら