[高等部通信9月号]学園長より~可能性の扉~5

2021年9月20日

5、夏休み企業見学会

自然学園高等部の夏休みは企業見学会がありました。3年生は企業の体験就労を経験している人たちもいるので慣れてきているかもしれませんが、1年生、2年生は初めての体験に緊張して、出社日前日は中々眠れなかった人たちもいるのではないでしょうか。いずれにしろ高等部の生徒の皆様にとって、自分の一生を変えるほどの貴重な経験になったのではないかと思っています。

就職について考えたときに、「人とのコミュニケーションが苦手である」、「指示が重なると混乱してしまう」、「継続して職場にいることに不安を感じる」など働くことに対して不安ばかりが先行して緊張が高まり具体的なイメージが湧かない人が多いと思います。

そのような人たちが多い中で、高等部ではキャリア学習および就労支援の一環として夏休みを利用した企業見学会を行っています。学校とは全く違う環境で、大人の人たちの労働している実際の姿、その真剣なまなざしを見ることができただけでも2学期からの授業に大きく影響することと思っています。2、3年生の皆さんはその姿に自分を重ねて就労に対してより深く考えることができたのではないでしょうか。この経験が将来の就労、また、これから経験する就労体験実習に必ず結び付き、自分の特性に合った仕事選びに役立つことと思います。

1、2年生の人たちも異なった業種の企業見学を行うことで、「自分ならこんなことならできるかもしれない」、「こんなことならぜひやってみたいな」と言う気持ちが少しでも感じることができれば今まで以上に意欲的に授業を受けることができるでしょう。

また見学をした中で、社員の方々のお話をお聞きする機会に恵まれ、会社が求めている人材とはどのようなことができなければいけないのか、またどんな人が、職場では一番困る人なのか、共通した企業の考えを教えていただくことができました。コロナ感染症の拡大が懸念される状況下で企業見学を中止にしている企業もいらっしゃる中、感染防止対策に気を遣いながらこのような場を提供していただいた企業の皆様方に深く感謝しています。

企業が求めるスキルに今の自分がどのくらい近づいているのかをこの機会にぜひ考えてみてください。そして将来の目標を立てて、その目標に到達するにはどのような計画を立てれば良いか少しでも考える機会になれば今回の見学会は大成功です。
実際の職場を見て、そこで汗して働いている人に接して、自分がもし働くとしたら、今の自分には何が足りないのかを確認できることがキャリア学習の原点になります。

体験就労を経験している人たちの仕事内容は企業によって違いますが、それぞれの仕事に慣れないながらも一生懸命取り組んでくれているようです。働くことの「楽しさ」や「やりがい」を実感できた生徒も少なくないようです。

この夏の努力の結果と秋からのもうひと踏ん張りが採用に結び付くことを信じています。ゴールに向かって歯を食いしばって頑張りましょう。全力で支援していきます。

本校の卒業生の実績が全国の発達障害者の雇用の後押しになるように、発達障害がある子どもたちを対象にしたキャリア教育を確立し、その取り組みを広めていきたいと考えています。

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