[高等部通信10月号]学園長より~可能性の扉~3

2020年11月5日

3.前期学力考査の評価について

1・2年生の皆さんは試験を終えてホッとしている人もいるでしょう。特に1年生の皆さんは、初めての学力考査でかなり不安を抱えていた人も多かったように思います。夏休み中から緊張していた人も少なくないようです。勉強に関しては特に自信がなくてかなりコンプレックスを抱えている人もいるでしょう。勉強は結果を人に評価され、人と比較されるために行うものではありません。自分のために行うものです。高校の場合、単位認定に直接結びつくものです。単位認定とは、卒業するために必要な履修教科の学習が規定通りに修得できたことが認定されることです。認定数の合計が3年間以上の在籍で74単位以上の認定数で高校卒業資格が得られます。全日制の高校の場合は、学年ごとに取得認定数が決められているので、不足した場合は進級、卒業ができない場合があります。そのための大きな基準が授業の出席日数と学力考査の結果であるわけです。

入学時に在籍生の皆さんには、入学説明会や入学前ガイダンスでもお話しした通り、通信制高校の単位認定はレポート課題の提出とスクーリングと言われる面接授業の出席が必須になっていて、認定されている視聴覚学習で10分の6まで補うことができます。しかし、年に20時限程度のスクーリングの出席を満たせず、レポートの提出ができない場合には、学力試験を受けられない通信制高校がほとんどです。現在の通信制高校は各地域に学習センターを設けて授業形式で自学自習を補っている現状があります。その場合、授業の出席がスクーリングに相当するのです。(細かい規定は技能連携校及び学習センターで設けられています。)

前期学力試験、後期学力試験の結果を踏まえて単位認定および卒業認定が行われます。
前期試験の内容は、レポート課題に準じて日頃の授業で説明している内容や演習課題から出題されました。授業内容が理解できている人は、必ず解答できる出題になっています。認知の偏り、文字を目で追うことに苦手さを感じている人や書くことに苦手さを感じている人などに配慮した設題を心がけています。授業で理解したことが、レポートにおいて表現できる力として定着しているかが授業のコンセプトになります。自然学園の学力考査はわかったことが「できる」に結び付く、努力したことが得点に反映する設題を提示できるように各教科の先生が心がけているのです。

評価に関しては、教科によっても異なりますが、一人ひとりのつまずきごとに合理的配慮のうえで提示したテスト内容の得点が基礎になり、5段階の基準で決定しますが、当然レポートの提出状況、レポートの得点と授業の出席状況及び授業態度が評価に加わります。授業の出席日数は全日制高校と違い、各教科における授業時間数で1/3の欠課時数での足切りはありませんが、通信制高校に定められたスクーリングの出席日数の下限を満たすことは単位認定の条件になります。授業の出席日数また授業態度やレポートの評価は当然、総合評価に加味されます。

1年生はもちろんのこと2年生3年生も、中学校の学力考査とは違った姿勢と緊張感をもって単位の認定を目標に試験に臨んだことと思っています。得点で評価されることや試験が苦手で中学校の試験は受けなかった生徒も勇気を振り絞って自分のつまずきや弱さと向き合って戦ってきたはずです。皆さん本当によく頑張りました。皆さんの今回の結果は学年評価として年度末に発表されます。皆さんご苦労様でした。

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