[高等部通信11月号]学園長より~可能性の扉~3

2020年12月7日

3、自然学園 思いやり収穫祭 模擬店、展示会

今年は、感染防止対策で、今までのような調理したものを販売する模擬店は中止させて頂き、一般のお客様のご来場は控えさせて頂きました。
生徒の皆さんが、コロナ禍での制限の中、工夫を凝らして実施する模擬店は今まで以上に皆さんのアイディア、話し合い、チームワークといった高いソーシャルスキルが求められました。だからこそ自然学園の生徒の皆さんの絆がさらに強いものになり、今までにない盛り上がりを見せてくれました。お客さんがいないことは残念でしたが、苦労を共に経験した今回の思いやり収穫祭は深く皆さんの胸に残る忘れられない思い出となることでしょう。

各クラスで出店した模擬店は、生徒がクラスごとに協力しながら、できるだけ安全に直に手に触れることのないように気を付け、飛沫が飛ばないよう細心の注意を払い、安心して口に運んで頂ける商品の工夫をしたようです。2年生、3年生はなるべく多くのお客さんに喜んでもらえるような商品を提供して売り上げを上げていこうという目標をもって、商品の準備、販売、告知、呼び込み、材料の仕入・管理、片付け、消毒などそれぞれの役割の中で企画段階から熱心に取り組んでいました。2年生の商品力の高さ、お客さんに喜んでもらえるような商品の選び方や3年生の商品企画と販売計画の立案力には圧倒されました。売り上げもこの2学年、3学年が他を凌駕していました。

自分が遂行した業務を喜んでくれる人たちのために働くこと、そのことにやりがいを感じてより喜んでもらえるために自己研鑽を図り、努力する経験をすることが自然学園で行う学校行事の大きな意義だと思っています。

自然学園は実践を踏まえた授業を積極的に取り入れていますがそれは、日ごろからSST(ソーシャルスキルトレーニング)で学んでいる「協調性」「協働」「トラブルがあったときの問題解決のスキル」「社会的な礼儀を踏まえた人に対する態度や言葉遣いなど社会性の育成」などは、実際に経験することで身につくものだからです。

それぞれの役割を誠実に遂行して、クラスメートへの「ほう・れん・そう」(報告・連絡・相談)が出来なければ、お客さんの注文を受けて準備を開始し、短時間で商品を搬入、接客担当者がお客様に商品をお届けすることは出来ません。ビジネスマナーで必ず学ぶ、敬語や「お待たせしました」「ありがとうございます」「申し訳ございませんでした」「承知いたしました」などの必須事項がここには全部含まれています。この一連の作業は生徒の苦手な視覚や言語の認知的な処理を必要とする継次処理力や同時処理力が求められます。必死に自分の苦手さと対峙した様子が垣間見られました。

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