[高等部通信11月号]学園長より~可能性の扉~4

2020年12月10日

4、第12回自然学園『思いやり収穫祭(学園祭)』 特別講演会
【発達障害がある子どもたちのキャリア教育】【「読む・書く」「算数・数学」が苦手な子どもたちの理由】

自然学園の年間のカリキュラムに組み入れられている学校行事は、自然学園の理念にある、子ども達の将来の自立に向けた取り組みを前提としたキャリア教育の大きな根幹を担っているものです。自然学園の生徒の皆さんは教科の授業やSST、ビジナスマナー、作業訓練などの時間ばかりではなく学級活動、体育祭、学園祭、ふじ祭り、クリスマス会等の様々な学校行事での役割分担やグループワークの実践を通して、自分の得意、不得意さと向き合っています。今回の思いやり収穫祭であるならば、各クラスが出店する模擬店についての企画やそのための作業のプランニングや実行、評価といった一連の流れを体得し、かつ作業を効率的に行う工夫や働く上で必要となる人間関係の作り方、さらには、コミュニケーションを学ぶ絶好の機会になります。

少人数の児童デイサービスや就労移行支援事業所などで行う机上でのSSTとして、挨拶の仕方などを学んだとしてもなかなか職場では実践できないものです。

自然学園が開校してから14年目を迎え、高等部や大学部の就職においても卒業生の皆さんの頑張りで多くの人たちが社会に巣立つことが出来ています。
毎年開催している「思いやり収穫祭」の特別企画では、特別座談会『僕たちの未来』をパネルディスカッション形式で行い、自然学園を卒業したOB・OGに今現在の自分のこと、就職を目指して取り組んだこと、就職活動や企業実習の際の苦労、仕事の悩み、職場での業務の内容や人間関係の悩みなどを話してもらい、特別支援教育を必要としているお子様をお持ちの保護者の皆様方に社会に参加している卒業生の声を聴いて頂くことで、お子様の将来の進路や就職等のご不安についての参考にして頂いていました。今年は新型コロナ感染防止のため中止にさせて頂きました。

高等部在籍の保護者の皆さんも中学校卒業後の進路には、大変お悩みになったことと思います。中学校で通常級や通級などを利用していた生徒や特別支援学級にご在籍の生徒の皆さんは、療育手帳や精神障害者保健福祉手帳の取得の有無のお悩みと併せて、卒業後における将来の自立、就労を視野に入れた卒業後の進路に大きな不安をお持ちになっていたと思います。

今回の講演会では、進路だけではなく、将来「働くこと」「社会に参加すること」を考えた時、生徒達に必要なものは何か、家庭でできることは何か、学校で学ぶことは何か等、特別支援教育を必要としている子どもたちが直面している【発達障害がある子どもたちのキャリア教育】を1部のテーマにしました。そして2部では【「読む・書く」「算数・数学」が苦手な子どもたちの理由】をテーマにしてそのような子どもたちが学校教育の中で自分の居場所が感じられなくなるきっかけとして学力不振の問題に焦点をあて、その直接の原因になっていると思われる「読む・書く」などのつまずきを取り上げ、どのようにしたら彼らの興味を勉強に向けさせることが出来るのかをお話しさせて頂きました。

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