いじめについて

2010年12月27日

みなさんの今年はどんな年でしたか?テレビやインターネット、新聞などで、学校でのいじめが原因で自殺をした生徒の事件が連日のように報道された年でした。自殺した子どもたちの胸中には学校の先生や大人たちに対しての失望が大きくあったように思います。我々も教育現場を預かる教員として他人事とは思えません。子どもたちの自殺の報道がある度に胸が張り裂ける思いを感じてきました。それと同時にうちの子どもたちは大丈夫だろうか?こちらが気づいてないだけで、悩んでいる生徒がいるのではないだろうか?と考えてしまうことがたびたびありました。
つい先日、取手の登校中の高校生たちが、刃物で無差別に切りつけられた事件が起きました。加害者の男性は「人生を終わりにしたかった。」と話しているようです。
世間はリーマン・ショック以降、世界的な不況にみまわれる中、日本でも円高の進行に伴い、いまだに不景気から脱却する糸口がみえていません。それにともなって、大学生の就職内定率が60,8%、高校生の内定率が15,8%と過去最低を更新しています。
このような社会の状況がいじめによる自殺する中学生が連日のように報道されている状況とまったく無関係とは思えないのです。
先に述べた就職難の社会状況の中で、よりどころのない不安を抱えた若者たちが競争にさらされ、他人を思いやるゆとりもなく、自分だけは社会に取り残されないように、または親にそのように命じられ、必死にあがいているさまが容易に想像できます。
子どもたちも同じです。将来への羅針盤であるはずの大人たちにゆとりがなく、やさしさやおもいやりが希薄になった大人たちへの不信感が、よりいっそう居場所のない不安感へとかりたて、いじめがより陰湿に、表面に露呈しないかたちで進行しているのではないでしょうか?
先日自然学園でのHRのなかで「いじめ」の授業をしました。
① いじめの原因はひとり一人の中にある心の弱さが起因している。
② 人をいじめることで決して安心は得られず、ますます今度は自分がいじめられるという思いが強くなる。
③ いじめられた経験がある生徒ほどいじめる側に回りやすい。
④ 何もいわないことはいじめに参加していることと同じ。
⑤ いじめはいじめられた側が苦痛に思ったり、いじめと感じればそれはいじめである。
このことが自然学園の生徒のひとり一人のこころのなかにいつまでも忘れずに残り続けてくれることを今年のクリスマスの願い事にしました。
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