学園長コラム ~可能性の扉~②

2014年2月22日

都内大手の
保険会社の特例子会社では、
今回の実習では
封入の仕事に取り組みました。
配送先と封入する手紙の
宛名と封筒の送り先が
PCでデータ管理されている
送り先と合致しているかどうかを
確認して、
手紙をその他の資料とともに
3つ折りにして同封し、
封筒をのり付けして、
出来上がった封筒を
段ボールの箱にしまい、
一括郵送する総務の受付に
届けるまでの作業です。
のりを多くつけすぎて
皺(しわ)が多くなりすぎてしまったことや、
まだ乾いていない
封筒が入った段ボールを
床に落として
封筒を汚してしまったことが
反省会でも彼の失敗として
かなり気になっているようで
後悔しながら話してくれました。
会社側は、
指導員の職員の方が、
よくある失敗なので
慣れていけば大丈夫です、
と声をかけてくれました。
逆にそのときその失敗を隠さずに、
すぐに職員に報告し、
次の対応の指示を受けたことに
お褒めの言葉を頂きました。
また、
ひとりの2年生の生徒は、
郵便局の休憩室、
階段、廊下、踊り場、食堂等の
清掃の仕事を実習させてもらいました。
反省会での話では、
清掃を実施したエリアを、
清掃後にコーチの職員の方から
細かくチェックされて、
少しでも汚れやほこりが
残っているようなら
厳しく怒られている光景を
目の当たりにして、
改めて仕事の厳しさや、
サービスを提供した結果、
お客さんやサービスを
受ける側に喜んでもらい、
納得してもらわないと、
その対価としての給料を
もらえる資格がないことが、
実習を通して理解できたと
話してくれました。
そしてそうならないために、
教えて頂いた
正しい手順で仕事をすすめ、
必ず点検・確認を怠らないことを
学んだそうです。
このことこそ、
我々が1年生から
実習に送り出す意義なのです。
確かに高校卒業資格に結び付く
単位認定の学習も
大切なことですが、
微分積分や三平方の定理ができても、
世の中では何の役にも立ちません。
むしろ彼らが実習を通して経験し、
身に付けたことこそが、
自立するために必要な
ソーシャルスキルであり、
生きる力なのです。
彼らの就労前に、
指示の受け方や
日常のあいさつ、
報告・連絡・相談
いわゆる『ほうれんそう』の
重要性などを徹底的に教えて
送り出したつもりです。
本当の理解や、
職場でそのことが
般化できるまでには、
現場での体験を通して
体で覚えていくほかないのだと思います。
それは、障害がある高校生や
大学生に限らず、
一般の高校生や大学生、
大人に至るまで、
コミュニケーションをはじめとした、
社会性が欠如した人たちが、
学力や知識があるなしに関わらず、
いかに多いかが
企業の人事関係の方々と話すときに
必ず話題に上ることです。
        『高等部通信 おもいやり 第9号より』
≪次回へつづく≫
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