学園長式辞①

2012年3月24日

≪下記の内容は、3月18日に行われた自然学園
第2回卒業式での学園長式辞の一部です≫
卒業生のみなさん、
保護者の皆さん
ご卒業おめでとうございます。
東関東大震災から一年が経過しました。
この場に立つと昨年の卒業式のことが鮮明に思いだされます。
昨年の卒業式はちょうど震災から二日後の三月十三日に挙行され、
交通機関など運休が懸念される中、
出席生徒及び保護者の皆様、
来賓関係者の皆様にはご不便をかけることなく
すみやかに卒業式が終了したことに安堵した記憶を思い出しました。 
一年という時間の経過の速さに驚きを隠せません。
関東大震災で亡くなられた方のなかで
公立学校としては大川小学校が最も被害が大きく
全児童人数、百八人のなかで
七十人の児童と九名の教員の死亡が確認されており、
いまだ行方不明の児童四名と教員一名をあわせると児童七四名、
教職員十名が震災の犠牲になっています。
おなじ教職に携わる立場として
非常に心苦しく胸が引き裂かれる衝動に襲われます。
避難についての不備がとりざたされていますが、
生徒を危険に導こうとする教員は一人もいません。
避難する際も生徒の命をも守ろうとして必死だったに違いありません。
生徒もまた先生を頼りに誘導に従い
必死に避難していた姿を思い浮かべるとその姿が脳裏を離れません。
昨年の三月十一日は
昨年の三月十三日に卒業を迎えた第一回の卒業生も
皆さんといっしょに避難しましたね。
何度も繰り返される揺れの中で
不安を押し隠し上級生は下級生をかばいながら
市役所裏にある緊急避難場所として指定されている公園に避難したことが、
昨日のように思い出されます。
震源地からたまたま離れていた私たちは全員が無事でしたが、
もし震源地が近ければ
今頃全員そろった卒業式を迎えることができなかったかもしれません。
命の大切さを改めて感じました。
この世に生を受けた偶然に感謝しながら、
その偶然を必然とせず日々懸命にそして大切に生きてください。
皆さんは選ばれてこの世に生まれてきました。
皆さんにあるひとり一人のつまずきも大切な個性です。
その個性を大切にしながら、自分の能力の高さに目を向け、
その能力を生かしながら、社会に貢献できること、
社会に還元できる能力の開発にもがき苦しみながら
毎日を大切に生き抜いていくことが皆さんの使命であり、
東日本大震災で亡くされた幼い大切な命に報いる皆さんにできる
唯一のことであると私は思います。
そして今年の第二回の卒業式も
全員揃って挙行できたことに
ただただうれしい気持ちでいっぱいになっています。
≪②へ続きます≫
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