バンブーだより 6月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-10
2024年7月14日
10,SSTペアトレーニングクラスについて
お子様の問題行動とは、実際に社会との接点が多くなればなるほど増える傾向があり、社会的な接点が少なければ大きな問題にならないケースは少なくありません。お子様の問題行動があると親の子育てが間違っていると言う人がいますが、お子様の環境によって問題行動に至るお子様の特性は大きな影響を受けるので、家庭環境や成育歴だけが問題ではないのです。
学校生活など社会との接点で生じたお子様のストレスが他者に対するいじめや攻撃に結びつくことが多なり、嘘をつき多動行動も強くなります。学校でのクラスメートとのトラブルや家庭での兄弟へのいじめなどの問題も生じてきます。家の中で解消しないと外の向けての反社会的な行動になってしまうことがあります。問題を起こすことで注目してもらいたいと言う気持ちが問題行動の根底に潜んでいる心理です。
とくに発達に特性を持っているお子様は、ソーシャルスキルが経験から身につかず、人の気持ちを理解できないなどの認知の偏りから問題行動や対人トラブルなど生活上のつまずきが起きやすいのです。
以上の理解がなく、学校など社会生活の不適応さを問題行動と捉えて、頭ごなしに怒り、力ずくで辞めさせる行為は大人になってからのお子様の反社会的な見方が強まると言われています。外出を禁止したりラインなどのSNSを禁止したりしても反抗が強くなり、問題行動を助長することになりかねません。
保護者の皆さんがお子様の問題がある行動の捉え方を変えるお子様の行動に変化が現れるのです。たとえば乱暴な言葉が多いお子様に、問題児とレッテルを張るだけでは問題は解決しません。友達との付き合い方や対応を知らないためにこのような行動を身に付けてしまったお子様と捉え、友だちとの付き合い方を教えることで問題行動が減少するお子様だと考えるようにすることなのです。順番待ちができないお子様はルールが身に付いていないと考え、コミュニケーションでの解決を図るための適切な行動やルールを教えてあげることが必要であると言うことなのです。このように問題行動をなくすのではなくその場に応じた適切な対応を教えることを心がけるべきでそのことを保護者の皆様と一緒に考えていく講座がペアトレーニングです。ただ怒ることだけで褒めることがないお子様との関係が続くと母親との愛着形成が順調に育まれないと、体の成長やコミュニケーション能力の向上が遅れるだけでなく、情緒の安定や発語にも深刻な影響があると考えられています。
お子様の問題行動はその子なりの表現のひとつであると考え、問題行動を辞めさせるために怒り、繰り返させないために行動に制限をつけることよりも親はわが子を見ている関係性を重視して、身に付いていないスキルは教えてあげ、できるようになるまで待ち、それでもできないのであるならばできるように促し、できたらほめることを実践していくように、まずお子様に対してすぐにできる小さなことから始めてみることに取り組んでもらいます。
具体的にはまずは保護者がお子様の話を聞く練習をすすめています。ほとんどの保護者は諭すことに力を入れ、お子様の話に耳を貸さない。子どもの価値観に興味を示し、社会的な常識や経験からくる倫理観や価値観を押し付けないことで親子のやり取りができる関係が構築できるのです。
お子様が問題行動を起こした時に、「どうして言うことが聞けないの?」「何度言ったらわかるの?」「どうしてこんなことしたの?」を言い換えて、お子様が答えられるようない言い方、伝え方を学ぶこと、そして好ましくない行動をしたときの促し方、好ましいことをしたときのほめ方を学んでいくことがペアレントトレーニングなのです。
バンブー教室のSSTペアトレーニング講座ではお子様が好ましくない行動をした時の具体的な待ち方、好ましい行動をするまで無視(消去)をして好ましい行動を待ち、好ましい行動が出たらほめる演習を保護者に実践してもらう時間もご用意しています。好ましくない行動をしたときに、感情的になったり、怒鳴りつけたりするのではなく問題行動が好ましい行動に変わるような促し方を同時に実践していく講座になっています。