バンブー教室:バンブーだより1月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-1

2025年2月18日

学習につまずきのある子どもたちの現状

学習につまずきのある特別支援教育が必要とされる子どもたちのほとんどは、教員側から見ると授業についていくことが困難な生徒で、知的な遅れがさほど問題ではないのにもかかわらず「教科書を読むこと」「板書をノートに書くこと」「先生の話を聞き取ること」「先生の質問に答えること」が困難で集団授業に参加できない生徒も多く含まれていると考えられます。

そして、これらの「授業での個別の配慮・支援」を受けていない児童生徒は勉強に意欲をなくし、自己肯定感が低くなり、無気力、情緒の混乱、不安の強さなど具体的な症状が現れ、一般的に2次障害といわれる不登校をはじめとして家庭内での器物破損、暴力、鬱や強迫性障害などの精神障害の状況がみられている実情も無視できない現状だと考えます。

勉強に苦手さを感じている人たちのほとんどが読むこと、書くことに苦手さを感じています。授業に参加できなくなるきっかけの一つとして、板書をノートに書き写すことの苦手さを挙げている人がたくさんいます。板書に苦手さがあれば書き写すことでいっぱいいっぱいで先生の説明を聞くどころじゃないでしょう。どんどん先に授業は進んでしまい、まだ書き写し切らないうちに、次のテーマに進むために書き写していた板書の文字を消されてしまいます。

そのことを繰り返し、もう勉強なんかどうでもいいと感じている人は少なくないのではないでしょうか。そんな人は勉強ができない人ではありません。

多くの人は視空間のワーキングメモリに問題があり、黒板に書かれた文字や記号を頭の中に短期間、記憶しておくことが苦手な人なのです。文字の形状をうまく写しきれず、形作れない人は、文字の大きさが揃っておらず、枠にうまく収められない人がいると思います。文字や記号、数字の形を読み取れない人は眼球の運動に問題があることが考えられていて、うまく書く作業に苦手さを感じている人は、手先の不器用さに関係する微細運動が、感覚統合の問題で困難さを生じていると考えられています。教科書および教科書ワークなどに書かれている文章を書きだすことも苦手です。このようなタイプの人は漢字を覚えることも苦手な人が多いのです。

読むことが苦手な人は、勉強の苦手さに直結します。試験に反映するような知識は、教科書に書かれている知識である言葉を覚えるため、正確に文章を読み取ることができない人は得点に結びつかず勉強が苦手な人と判断されてしまいがちです。

(※コラムで掲載されたものを一部抜粋しております。)

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