バンブー教室:バンブーだより2月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-5
2025年3月18日
前にもお話ししたように視覚、聴覚、いわゆる目や耳などの五感から入ってくる情報がほんの数秒間だけ記憶として保持されますがすぐ消去されてしまいます。これは、感覚記憶と言われています。この感覚記憶のなかで、興味や関心があることや自分の中で意味のあることだと選択された記憶が、短期記憶として残ります。感覚記憶よりも少し長い数秒間から、数分程度保持される記憶が短期記憶です。短期記憶を「長期記憶」にする過程があります。長期記憶へとつなげるためには反復学習が必要です。勉強で学んだことを何度も繰り返し、復習するわけです。短期貯蔵庫に一時保存された情報を繰り返し復唱して、記憶を強化する過程がこれにあたります。
これに相当する心理学用語に、「リハーサル」という言葉が用いられます。リハーサルとは、『短期記憶の忘却を防いだり、長期記憶に転送したりするために、記憶するべきことを何度も唱えること』とされています。短期記憶の貯蔵庫で、頭の中で情報を復唱する「リハーサル」を繰り返し行っていると、その中の幾つかの情報が長期記憶の貯蔵庫へと転送されていきます。リハーサルの回数が多いもの、選択的注意の程度が大きいもの(印象が強烈なもの)ほど、重要なものとして短期記憶から長期記憶へと定着する可能性が高くなります。
鉄道好きのお子様は、目に映った鉄道や駅の風景と共に駅名が頭の中に鮮烈なイメージとして残り、何度も記憶を伝わってことあるごとに思い出し、言葉に出したり、映像や写真を繰り返し見たり、絵に描いたりしているはずです。自分では無意識のうちに「リハーサル」を繰り返し、自然に海馬に長期記憶として文字(駅名など)の形が残っているのです。
このようなアカデミックスキルは、ソーシャルスキルと同様に学習性の能力と言われています。いわゆる勉強し、学習を繰り返せば身に付く能力なのです。そのような彼らの興味や関心を掻き立て、彼らの潜在的な高い能力を引っ張り出すための講座を春期講習では考えています。
(※コラムに掲載されたものを一部抜粋しております。)