バンブー教室:バンブーだより4月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-2

2025年4月15日

3,不登校の増加と発達障害傾向の児童・生徒の関係性とその実情

小・中・高等学校及び特別支援学校におけるいじめの認知件数は732,568件で、前年度に比べ50,620件(10.8%)増加しました。いじめの認知件数は小学校で588,930件、中学校122,703人です。生命や身心などに重大な被害が生じた疑いがあったり、長期欠席を余儀なくされたりするいじめの「重大事態」は1306件(前年度比387件増)でいずれも過去最多になっています。

小中学校においては、いじめの原因として「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が最も多くつづいて「軽くぶつかられたり、遊ぶふりして叩かれたり、蹴られたりする。」が多い結果になっています。

人間関係に関しても、急な予定変更から彼らの「できないこと」が露呈して「いじり」「からかい」の対象になり、いじめや人間関係のトラブルにつながる可能性を秘めることになります。人の気持ちが理解できない特性も表情が読み取りにくいマスク越しの会話ではよりそのことに拍車をかけることになります。コロナ過ではそのトラブルがより起きやすい環境下にあったとことが予想できます。

自閉症のお子様によく言われる「心の理論」のつまずきは、大きな足枷になって彼らに襲い掛かります。言葉のやり取りも普段の生活より短いことばのやり取りになるのでSNSの言語と同様、発信が短く少なければ少ないほど意味の読み違いや勘違いが生じ、発したことばも言葉尻を捕らえられて批判の的となる可能性が大きくなります。

発達障害傾向のお子様は「できない」ことに着目されて、授業中なども不注意性や多動性からくる姿勢の乱れなど授業態度の悪さから先生に注意を受けることが多くなります。また提出物においても、(S)LD傾向があり、視空間の認知が苦手なお子様や言語性ワーキングメモリが弱く、その処理が苦手なお子様は「読む」「書く」に困難さが生じやすく宿題をテキパキと消化することが難しくほったらかしにしてしまいがちです。また提出物などにはこだわりがあり、時間をかけてもやらなければ気のすまないお子様は不注意性も相まってケアレスミスが多くなります。そのようなお子様は先生から褒められるより注意を受けることが多くなります。授業中もワーキングメモリの問題から先生の話しが理解できないことや答えを求められても急には答えられないことが多く、自分自身でも自信が持てず塞ぎ込むことが多くなります。ほめられることより注意されることが多いお子様は自己肯定感が低くなることは当たり前のことです。

ですから絶えず緊張が強く、聴覚の過敏さからまわりの言うことが気になって仕方ない人もいます。消極的でいつもおどおどしているようなお子様はまわりの生徒から見るとからかいやすくいじめのターゲットになりやすいのです。先に述べたいじめの原因はとてもわかりやすくこのような状況と重なっています。そしてその延長上に2次障害と言われている不安や情緒の混乱があるのです。フラッシュバックや不眠、起立性障害、鬱、統合失調症、人格障害、強迫性障害など精神的な疾患が生じるケースもあると言われています。

このようなことから発達障害傾向のお子様と不登校の相関関係も説明がつくと思うのです。

 

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