バンブー教室:バンブーだより5月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-2

2025年5月16日

3,精神的な問題と不登校についての関連性とその理解

春先は精神的なバランスが崩れ、精神的な不安定さが助長しやすいのもこの時期でもあります。一般的な「5月病」というと新入社員のサラリーマンや大学生の新入生などにみられる新しい環境に適応できないことに起因する精神的な症状を指していました。

ゴールデンウイーク明け頃から毎日の生活にやる気をなくしてしまう状態が続くことで、医学的には適応障害や気分障害、鬱(うつ)と診断されるような症状です。症状としては、いらいらすることが多くなったり、学校に行くことが億劫になったりすることがあります。「不安」「焦り」「憂鬱さ」が強く感じるようになることもその一つです。ですが診断名の基準は症状とは違います。それぞれのお子様にそれぞれの困り感があるのと同じようにそれぞれ違った体調不良の理由があります。不登校の理由も同じようにひとり一人に違った理由があるのです。不登校と言ってその理由を限定したりせずにひとり一人のお子様に寄り添う姿勢が大切だと思います。

朝、なかなか起きることができない、夜眠れない、食欲がない、頭痛、めまいなどを頻繁に訴えるようになったら要注意です。このような症状が6月にかけて発症する症状として充分考えていかなければいけないことです。

最近は、中学生、高校生ばかりではなく小学生、幼児への低年齢化が進んでいるようです。バンブー教室の子どもたちの場合、発達のつまずきが起因して、元来、2次障害と言われる精神的な不安定さや不登校などの問題行動が伴いやすい特色があります。

タイプ的に言うと真面目で完璧主義的な性格で、自分で早く環境に適応したいと頑張る気持ちが強い人ほど、期待していた新生活のギャップに落ち込んだり、必要以上に頑張りすぎたりして緊張が強くなり、モチベーションが継続できなくなる傾向にあるようです。 そうならば、中学校で特に発達のつまずきがあるお子様におこりやすい『中1ギャップ』と一般に言われてきたつまずきは、「五月病」と同じような症状であり、会社に行けない、行きたくないという社会人の気持ちと子どもたちの気持ちは同じだと考え、予想できる不登校に慎重に対応していく必要があると思っています。

このような状況になると医療機関の受診を考えがちですが、医療機関の受診を嫌がるお子様がいます。また教育委員会が設置している教育支援センターなど教育相談も学校同様先生や大人に不信感を感じているお子様も多いので今の自分を到底受け入れてくれず、理由を決めつけられるのではないかと考えがちなのです。学校のスクールカウンセラーや相談室の教員も同様です。学校側の都合のいい選択を押し付けられるのではないかと危惧しているお子様も多いのではないのではないでしょうか。不登校になったお子様はしばらく何も考えられず、今のままの状態や今のままの自分を受け容れてほしいと思っているのではないでしょうか。ベテランの手慣れた臨床心理士の資格を持ったカウンセラーの声かけさえも自分に都合の良い意見に誘導していると先入観を感じて素直に委ねられないお子様もいます。ですからすぐに特別支援学級への転籍やフリースクールさえも拒否することは必然です。相談室登校も適応指導教室の登校も同じです。行き渋りが始まった不登校の始まりは強い刺激は逆効果です。自分から話したくないのならそっとしておいた方が良いです。

バンブー教室に通っている子どもたちは、勉強が苦手だと意識している人たちが大半を占めているでしょう。認知発達の凸凹に起因しているつまずきを気づいてもらえないまま、他者と比較されて怒られたり、注意されたりすることで小1クライシスが始まります。この時期のお子様の動向に注意が必要な大切な時期だと考えられます。そのようなお子様の理解を深め、ご家庭でできる対策や学校との連携など最善と思われることを今までの事例も踏まえてシンポジウムではお話しさせていただきました。

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