バンブー教室:バンブーだより6月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-6
2026年6月12日
6,国語の読解が苦手な人のための夏期講習の講座(読解メソッド探求クラス)
文章の文字や記号を目で追うことができ、音読はできるものの、文章を読んで内容を理解することが苦手な人もいます。このような人は、視覚から認知したことばを音韻に変換して処理する能力や聴覚から認知したことばを処理する言語的ワーキングメモリの弱さに原因があります。文章を読んでいる途中に場面や段落が変わってしまうと、前に書かれている内容を保持することができないため長い文章になるほど、内容全体の理解に結び付かないのです。
このような理由で主人公の気持ちの移り変わりや登場人物と主人公の関係性などを読み取ることが困難です。
国語の読解問題から設問に該当する一文を抜き出すような解答は、文章な中で見つけることができても、設題の答えを文字制限の字数内でまとめ、書き出すことは非常に困難さを生じてしまいます。全体の構成から優先順を付けながら、消去法で回答箇所を絞り込み、条件に応じた字数内で作文する能力は、流動性推理を必要とする能力です。相手の気持ちを汲み取りながら人前で自分の気持ちを表現することも同様の能力が必要になると考えます。
この能力もワーキングメモリが関係していて、頭に思い浮かんだ答えとなる文章のポイントを保持しながら、整理してひとつのセンテンスにまとめる作業は、言語的なワーキングメモリが関係する処理能力に起因しています。ワーキングメモリは、頭の中のメモ帳と言われていて情報を認知するための短期記憶であり、その記憶を保持して処理し、行動を実行するために大きな役割を果たします。
文章読解は、文章を読んで、短い段落ごとに書かれている事柄を把握して、その関係性から文章構成を理解する練習が必要になります。物語文なら主人公の気持ちの移り変わりや登場人物との関係性や登場人物の社会的な立ち位置やその役割、性格、過去の出来事などの内容は、時制を踏まえて整理しながら読み進めることが求められてきます。論説文なら文章を読んで筆者の考えを、文章に用いた意図する言葉の意味と文脈とを重なりを合わせながら、段落ごとに読み解いて文章全体の構成や序論・本論・結論などの文章の構成を読み解くことが求められていきます。
文章読解は語彙力の少なさに加えて、視空間ワーキングメモリの弱さにより、言語領域のワーキングメモリが極端に低いことが苦手さの要因として考えられます。漢字のかたちや語彙の文字を視覚から判断する能力より、漢字や語彙の音、その意味の理解が弱いことで文章の意味がとらえきれず、文脈が読み取れないことがあると思います。
その場合は、漢字に読み仮名を明記し、語彙の意味カードを文章のそばに携えながら読み進めることが必要になるでしょう。また、物語文ならば先に話した主人公の気持ちの変化を時制や段落ごとにまとめ、登場人物との関係性や社会的な立ち位置、役割、性格、過去の出来事などの内容を整理したワークシートを作成することが重要になります。ワークシートの作り方は、なるべく登場人物によってイメージしやすいキャラクターをイラスト化するなど表現方法の工夫が大切です。
作成したワークシートを確認しながら文章を読み進め、後にある設問を考えることで、読解における思考力がまとまってくるはずです。これは、言語領域のワーキングメモリに負担をかけず、視覚からの認知の強みを利用することに意味があります。もともと、回りくどい言い方やたとえ、示唆するような言い回しは理解することが難しい子どもたちです。そのイメージを結び付けるパイプの役割を果たす絵カードを使いながら理解を補っていくのです。
バンブー教室の授業では、こちらで作成したワークシートを使って、登場人物のそれぞれの職業や立場、過去のいきさつを記入し現状についてまとめ、それぞれの登場人物対する思いや心の変化、共有する過去の経験などをまず書かせます。また、それぞれの場面ごとにイラストを使ってその場面をリアルに想像できるような補助教材を使い場面ごとの会話や心情も整理しました。
その後、作成したワークシートを参照しながら、設問に向き合って問題を解いてみると、物語のそれぞれの場面やその場面における言葉のやりとりからくる心情の移り変わりも理解することができるようになり、主人公の気持ちを選ばせる選択問題の選択肢にも惑わされることなく、しっかりと正解となるポイントにフォーカスすることができました。
ワーキングメモリが弱い彼は、物語を読んでいくうちにそこまでの状況や展開が曖昧になり、今読んでいる場面の中でしか設問を考えることができなかったのです。また、文字からだけで場面ごとのシーンを連想する力も不足していました。
ワークシートを見ながら問題を解くことでワーキングメモリの不足を助け、イラスト入りのプリントを使いながら物語をまとめることでその場面の展開を頭の中で正しく再現することができ、問題を解くことができました。選択問題の引っ掛け文章にも前後の文を読み解いて消去することができるようになりました。
このような読解問題における読解メソッドを教えながら頭の中で整理できない文章中のキーワードを論理的に結びつけ解答に導く手助けを夏期講習、読解メソッド探求クラスの目標にしています。





