バンブー教室:バンブーだより6月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-2

2025年6月20日

2,発達障害傾向の学力不振の本当の理由とは

 

2024年の12月に講演していただいた西永先生はその著作「子どもの発達障害とソーシャルスキルトレーニング」で、「ソーシャル・スキル」のスキルは「技能」ではなく「学習性の能力」であると書いています。LDやADHDなど発達障害の傾向がある子どもたちの「ソーシャル・スキル」や「コミュニケーションスキル」及び、読むこと・書くこと・聞くことにも関係している教科学習を含む学力に相当する「アカデッミク・スキル」は学習や練習の結果で大きく変わってくると書かれています。

発達障害がある生徒の場合は、特に発達の偏りに配慮してその子どもの現在の能力に見合った、できる課題を用意して結果を出すことが大事であり、結果が出ないのは教えるプロセスが間違っているとのことだと言い切っています。子どもはできるから練習を頑張れるのであって、できないから練習が苦手なのです。不登校の理由である無気力は学習におけるプロセスの問題であると言えるとのことです。

発達障害の特性としてADHD(注意欠如多動症)で見られる集中力や持続性のつまずき、ASD(自閉症スペクトラム障害)で見られる「興味に偏り」や「こだわり」が学習に取り組む上で大きな障壁になってしまうことが学力不振につながる未学習の大きな理由の一つだと思います。苦手なことや興味がないことには極端に意欲がなくなり、家庭での学習そのものを遠ざけてしまう傾向があります。ですから不登校が増加する理由としてよくあげられる宿題や提出物などの課題の未提出はこのような特性に大きく関係している結果として考えられることだと思います。家庭でタブレットやゲームの機器が身近にあるような環境があれば気持ちが興味のあるそちらの機器に奪われてしまいYouTubeで動画を見たり、SNSに興じたり、ゲームでつながった相手との対戦ゲームに興じてしまって学習を後回ししてしまう行為はよく見られることです。彼らの場合はそれが習慣化してしまうことです。

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