バンブー教室:バンブーだより6月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-3

2025年6月21日

3,ワーキングメモリが学習に及ぼす影響

一般にワーキングメモリと言われる学習の基礎となる情報を処理するための能力である認知的スキルが問題になり、学習でのつまずきを生じているケースが考えられます。授業に参加することも家庭で学習的な課題を消化することも、漢字の暗記、国語の文章読解、計算、算数、数学の文章題や英語のヒアリングに至るまでワーキングメモリを使わずに学習することはありません。ワーキングメモリは「脳のメモ帳」と言った考え方があります。学習に必要なことは、学習に取り組むための順番を取り決めたり、取り組みやすいプロセスを考えたり、今まで覚えた知識や処理するパターンやイメージを重なり合わせて頭で問題の解法を思い浮かべたり、立式したりするのに役立ちます。またADHDの特性である気が逸れてしまって勉強に集中しなければいけない時にも、ワーキングメモリは重要な役割を担います。

宿題などはワークシートや宿題のプリントに解答を記述しなければなりません。また、問題が書かれた文章をどの教科でも読んで理解する必要があります。その際にワーキングメモリを必要とします。そして導き出した解答を問題集やノート、プリントに書き込む作業にも必要となります。そうなると「読む」「書く」の能力が必要になってきます。最新の限局性学習障害とはこのような「読む」「書く」「計算する」などの力にあらわれることが多く、情報を処理する際の能力の凸凹が関係していると言われています。まさしくワーキングメモリの特性が関与していることが考えられるのです。

潜在的に持っているこのような発達の偏りから生じる凸凹は、彼らの学習意欲や自己肯定感にも密接に関係しているので、今まで学習するために置かれた環境がマッチせずに彼らの特性に負荷をかける結果になってしまうとADHDの特性である「不注意性」や「投げやりな態度」、「集中力の無さ」を余計引き出してしまうことになり、学習に取り組むことを阻害してしまう結果になるでしょう。だからこそ学習に取り組ませるプロセスを考える際に非常に重要なポイントになるのです。

 

もともと記憶とは、健常の人でも20分後に42%、1時間後は56%、9時間後は64%、6日後は76%の割合で忘却してしまうものです。忘却を食い止める方法は、一定時間すぎたあとに繰り返し復習するしかないとされています。学習したその日の夜、1日後、3日後、1週後と定期的に繰り返して復習することが不可欠です。

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