バンブー教室:バンブーだより6月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-5

2025年6月23日

5,勉強が苦手なお子様の勉強の仕方

文科省は不登校の原因として学校に係る状況(学校が原因の不登校)、家庭に係る状況(家庭環境や家庭で起きた問題が原因の不登校)、本人に係る状況(学校・家庭いずれも関係のない本人の問題が原因の不登校)と3つに分類しているのですが、本人に係る状況(学校・家庭いずれも関係のない本人の問題が原因の不登校)においては不安や無気力が圧倒的に多いのですが、学校に係る状況(学校が原因の不登校)では、学業の不振を最も多い原因として挙げています。そこで勉強が苦手な特別支援教育を必要としている子どもたちの勉強の仕方をまとめさせていただきました。

中学部のお子様方にある興味の偏りという特徴は、興味を持てる楽しいと思うことに、とても高い集中力や持続力を発揮して夢中になって取り組めることができるということです。また、自信があって取り組める課題は、やるべきことが明確に示されていればその手順にしたがって粛々と取り組める子どもたちが多いと思います。

学校の漢字は覚えられないのに、鉄道の駅名なら漢字で覚えてしまう人が多いことが一つの例です。偏りがある能力を興味がないものにでも発揮できるようになればと保護者の方は常々お思いになっていることでしょう。中学部のお子様の特徴である好きなことに対するこだわりや執着心は、認知レベルの困難さをいとも簡単に凌駕する能力を潜在的に秘めています。

一人ひとりの感覚的な偏りや情報を処理する認知力の凸凹を把握できれば、どのような覚え方なら記憶しやすいのか、どのような課題を提示したら課題に取り組みやすくなるのか、どのように問題や課題のプリントを工夫したら解答欄に答えが書きやすくなるのか、などを考えて課題や問題に取り組めるようになることは不可能なことではありません。

そして、できたことをほめて認めてあげれば自分に自信が持てるようになります。だれもが褒められることを嫌うお子様はいないと思います。今まで自分では一生懸命にやっているつもりでも、出来ないことや間違えることが多く、怒られたり馬鹿にされたり蔑まれたり、健常のお子様が経験したことのない思いをずっと重ねているお子様方が中学部には多く在籍しています。

一生懸命取り組んでも認められないのなら、やってもしょうがないと諦めるのは大人だって同じです。ましてや非常に強いストレスや劣等感を持ちながら、他の選択肢が与えられないのであるならばそこから逃げたくなるのは十分理解できることだと思っています。

情緒の混乱や無気力で不登校になる生徒の原因に学力不振が上位に上がりますが、自分に自信が待てなくなれば学習意欲がなくなります。学習無気力になる状況が勉強においては、学力不振になる一番の原因であると私は思っています。

だからこそ自信をつけさせていくことが大切です。苦手だと思うことに自信をもたせて自己肯定感を回復させていくことが、学力が向上する大きな要因になると思います。

そして、今すぐ学校のクラスメートと同じような問題を解けるようにするのではなく、そこに結びつく基礎的な内容からクリアしていくことが大切です。

学習計画を立てるには、今自分がつまずいているところからもう一歩で手が届きそうな課題にチャレンジできるような目標を立てることが大切です。そうしていけば、課題ができた喜び達成感を経験させていくことができるでしょう。できないことでの失望感より多くの成功体験が上回ることによって、次のステップに向かう好奇心や学習意欲が出てきます。

そして、人は褒められることで自尊心が満たされ、そこで得た自信が向上心につながってくるものなのです。最初は凸凹の凸のスキルで解法が見つけられるような課題を選んであげることから始めることが重要なのです。

褒められることのないお子様方は、なによりも褒められたい欲求で満ち溢れています。ほめてあげるために必要なアセスメントや課題設定、および勉強に興味をしめさないお子様に対しての関わり方を踏まえたプログラムがバンブー教室スローステップメソッドなのです。

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