バンブー教室:バンブーだより7月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-2(2)
2026年7月11日
視空間とは「見たもの形や位置、組み立て方を理解して頭の中でイメージして考える力」を図る検査です。簡単に言うと目で見て考える力です。
①図形の形を正しく捉える、②積み木やブロッグを見本どおりに組み立てる、③図形を頭の中で回転させて考える、④物の位置や向きを理解する、⑤全体の部分の関係を把握すると言った能力を検査で測ります。視空間が苦手な生徒は、図形の問題が苦手だったり、地図が読むことが苦手だったり、文字や数字の配置、行をそろえることに困難さを示します。板書を写すのに時間がかかるのも視空間が苦手なタイプの人です。
流動性推理とは「初めて見る問題でもルールや法則を見つけて考え解決する力」を測る検査です。覚える知識ではなく考える力であり、抽象的思考力や視覚的な問題解決能力を指します。流動性推理が高い人は、初めての問題や正解が決まっていない課題でも、推理に基づいた直観力で今までなかった物を発想したり、想像したり、問題を解決するために試行錯誤を繰り返し、問題の解決に向かう力を発揮します。学習で言うと、算数の計算や文章題を解くことに使う能力になります。ワーキングメモリが弱い人は、継時的な処理が弱く、暗算するための数の組み合わせが覚えられなくなるのです。そして、文章題を解くには、抽象的思考力や視覚的な問題解決能力である流動性推理に高さが問われてきます。
ワーキングメモリとは「頭の中に情報を一時的に覚えておき、その情報を使いながら考えたり行動したりする力」を測る検査です。この能力が高いお子様は、①話を最後まで覚えていられる、②複数の指示が理解できる、③暗算が得意、④授業を理解しやすい、⑤話を聞きながら考えられるという特徴があります。
また、ワーキングメモリには、目にしたものを理解したり、目で見た情報をもとの適切な答えを推理したりする視空間のワーキングメモリと聞いたり、読んだりしたことを言語として理解したり、その情報を基にしてまとめたり、適切な答えを推理したりするために必要な言語的ワーキングメモリがあります。
具体的には、板書を書き写す力などの能力は、視空間的短期記憶と言われる目で見たことを一時的に保持できる覚える能力であり、視空間性ワーキングメモリは、図形の平面図(展開図)を立体として考え、立体の完成形を想像できる能力であり、ダンスやラジオ体操を模倣して覚えることにも必要な能力です。また、言語的短期記憶とは聞いたことを覚え理解する能力で、人の話を聞くことや口頭からの指示を理解する能力などです。そして、言語性ワーキングメモリは、音声情報を処理しながら保持する能力で作文、文章読解、算数の文章題は、もとより話し合いなどの必要な能力なのです。
逆にこの能力が低いと、作業の途中で次の作業工程が分からなくなることがあり、先生の指示が入らない、板書をしていると先生の話を聞き逃してしまうなど学校生活における不適応が多くなり、算数の暗算や文章読解に苦手さが生じます。忘れ物が多く、宿題が提出できなかったり、話がかみ合わなくなったりするような様子が生じてきます。
処理速度は「簡単な作業を、正確に、素早く行う力」を測る検査です。理解したことを実際に行動に移すスピードを見ています。①見た情報を素早く見つける、②間違えないように作業する、③手を動かして書く、④集中して単純な作業を続けるなどの能力を測ることができます。記号を書き写したり、決められた印を見つけたりする課題が検査の項目にあり、処理速度の指数が低い人は、作業が丁寧な一方で遅かったり、宿題に時間がかかりすぎたり、ノートを書くのに時間がかかるタイプの人です。
このような検査はASD、LD、ADHDなどの発達障害の特徴や発達歴、生活上の適応度などを直接に評価する検査ではないため、この検査で発達障害が診断できるわけではありません。この検査を受けたことで子どもの特性にあわせた関わり方や学習のつまずきを支援するうえでのヒントが得られるのです。
具体的に言うと5つの指標をもとに「学ぶ方の特徴」や「つまずきのポイント」を客観的に捉えることができるのです。なぜ漢字を覚えることが苦手だったのか。板書を書き写すことが苦手だったのかがわかるための大きな情報が5つの指標なのです。また、視覚から認知が弱いと感じていた人が、視覚から与えられた情報をもとに的確な答えを推理する力は高い能力があることがわかることで、同時処理的な指導が認知しやすいタイプであることを流動性推理という新しい指標によって理解することができるようになった点が、支援する側にとっては大きなヒントを与えてくれることになるのです。





