バンブー教室:バンブーだより8月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-6

2026年8月29日

6,通常級で増加している特別支援教育を必要としている子どもたちの実態

普通学級で特別支援教育を必要としている子どもたちが全国で約8.8%いると言われています。この統計は診断名ではなく、教員が判断した特別支援を必要としている子どもたちの基準です。そして、そのような子どもたちは、医療機関で診察を受けても診断名がつかない子どもたちが非常に多くなっているとのことです。支援学級に在籍している生徒には、知的な遅れがなくASDや ADHD、LDなどの診断がある生徒が10年間で4倍近く増加しているようです。特別支援教育を必要としている子どもたちと言うと、知的発達症をはじめとする特別支援学校に在籍している生徒をイメージする人が多いと思いますが、上記の子どもたちの中には、知的な遅れはなく、療育手帳が取得できない生徒が増加していて、中学校を卒業した進路先は高等学校を希望している子どもたちが増えています。2006年に文科省が発表した学校実態調査によると、小中学校の通常級で発達障害とみられる児童生徒の数は、約7,000人で全体の6.5%の生徒に該当します。これが2019年で約70,000人になり、2022年の12月の文科省の調査の発表では、約90,000人で8.8%と急増しています。2025年に文科省が公表した資料でも、この8.8%を現在の基本的な数字として取り扱っており、35人学級ならば3人に相当する人数となっています。

この数は、あくまでも担任等の解答による教育的ニーズを反映したもので、境界線知能の児童生徒もこの教育的ニーズに合致すると考えられます。境界線知能の生徒児童の統計はありませんが、IQ74から84をひとつの基準として考えると、14%前後の数字がよく示されています。もちろん通常級の児童生徒の人数に直接当て当てはめることはできませんが、とても参考になる割合です。通常級でも特別支援教育の対象となる境界知能の児童生徒が多く見られるようになっています。境界知能とは、知的な能力が平均よりやや低いものの、知的発達症(知的障害)には当てはまらない状態を指します。病名や診断名ではなく、知的機能の特徴を表す言葉です。

一般的には、知能検査(WISCやWAISなど)のIQがおよそ70~84の範囲にある人を指すことが多いです。現在は、知的発達症の診断では、IQだけではなく、適応機能(日常生活や社会生活での力)を重視して判断されます。

このような子どもたちの特色としては、「授業の説明を一度で理解しにくい」「読み書きや計算に時間がかかる」「抽象的な内容や応用問題が苦手」「覚えたことを別の場面で活用するのが難しい」などの学習におけるつまずきが目立ちます。SLD(極限性学習障害)の学習面でのつまずきの特徴である「漢字が覚えられない」「文字を書くのが極端に遅い」「バランスよく書けない」「誤字脱字が多い」「ノートを写すのが苦手」「数字の意味が理解しにくい」「繰り上がり・繰り下がりが難しい」「九九が覚えられない」などから学習の困難さが生じ、学力不振につながる状況は、境界知能の学力不振に至る特性と重なる面が見られます。境界知能も含めると、グレーゾーンで勉強が苦手な生徒は、該当する割合が広がるような状況が想定されます。

お問い合わせはこちら